健康診断

【健康診断】尿酸値について解説!「高いと痛風になりやすい?」「ビールを検査前日に飲んでもいいの?」

尿酸値とビール

こんにちは、たくゆきじです。
 
今回の記事は健康診断に関する記事となります。
 
健康診断ではさまざまな項目が指摘されるので一つ一つ解説していきます。
 
今回は尿酸に関して解説していきたいと思います。
 
尿酸を意識する人ってそんなにいないと思います。
 
健康診断で引っかかった時も
 
「ああ、高かったんだ。」
 
くらいの認識の人が大半だと思います。
 
私も医師になる前は
 
「尿って漢字がついてるし、おしっこの中に含まれてる何かでしょ?痛風の原因だっけ?」
 
くらいの認識でした(笑)
 
現在は健診異常で受診する患者さんを診察するうちにある程度の知識は身につきました。
 
今回の記事では健康診断で尿酸が高いと言われたときに出てくる疑問に対して今までの経験も交えて解説しました。
 
ぜひご覧ください。

尿酸とプリン体とビール

尿酸といえばプリン体プリン体といえばビールというような印象があると思います。
 
「プリン体〇〇%カット!」
 
ビールのCMでよくやっているからだと思います。
 
尿酸プリン体は確かに深く関係しています。
 
プリン体が体内で分解されると最終的に尿酸となります。
 
そのため、摂取するプリン体を減らせば尿酸も減るのでCMは間違いではありません。
 
しかし、ややおおげさな表現であると思います。
 
あのCMの言い方だと
 
プリン体が入っていないから尿酸値は上がらず飲み放題である
 
という印象を受けます。
 
しかし、実はビールの成分で尿酸値を上げる物質はプリン体だけではありません。
 
具体的にはアルコールです。
 
アルコールにはプリン体の分解を促進し、尿酸値を上げる作用があります。
 
そのため、体に気を使ってプリン体カットの発泡酒やビールを飲んでもアルコールは摂取しているので尿酸値は上がります。
 
プリン体だけが尿酸値に関係しているわけではないのですね。
 
同じように、
 
「ビールだと尿酸値が上がるので、ワインにしました。」
 
とおっしゃる患者さんもいらっしゃいますがアルコールは摂取しているので、尿酸値は上がります。
 
ただし、ビールには他の酒よりプリン体が多めに含まれているので、より尿酸値が上がりやすいとは言えるとは思います。
 
なので正しくは
 
「プリン体〇〇%カットだけどアルコールも尿酸値を上げるから飲みすぎないでね!」
 
というのが正しい表現だと思いますが、企業のCMなので仕方がないでしょう(笑)

ビールは健康診断前日に飲んでいいの?

やめたほうが良いのは言うまでもありません。
 
前項で述べた通りアルコールには尿酸値を上げる効果があります。
 
前日に飲んだアルコールが翌日の採血結果にすぐ反映されるかどうかはわかりませんが、影響はあると考えるのが自然だと思います。
 
うっかり飲んでしまった場合には受診したときに医師に伝えましょう。

尿酸値の基準値は?

ズバリ7.0mg/dLが基準です。
 
ではなぜ7.0mg/dLが基準なのでしょうか?
 
それは7.0mg/dL以上になると濃くなりすぎてしまい血液に溶け切らなくなってしまうからです。
 
イメージしづらいかたは塩水をイメージしてください。
 
水に塩を溶かしていくとある一定の濃度までは水に溶けますが、その基準を超えると水に溶けなくなります。
 
尿酸でいうと、その濃度の基準が7.0mg/dLです。
 
7.0mg/dLを超えると血液に溶けきれなくなった尿酸が結晶として出てきます。
 
この溶けきれなくなった尿酸の結晶が悪さをするので尿酸値の基準値は7.0mg/dLに設定されています。

尿酸値が高いと何が悪いの?

大きく2つあります。
 
1.溶けきれなくて出てきた尿酸の結晶が体に悪さをする。(痛風、尿路結石など)
 
2.尿酸値が他の病気の原因になっている可能性がある。
 
の2つです。

1.溶けきれなくて出てきた尿酸の結晶が体に悪さをする。

最も代表的な病気は痛風です。
 
痛風は関節炎の一種で、溶けきれなくなった尿酸の結晶が関節に出てくることで炎症が起こります。
 
好発部位は足の親指の付け根(第一中足趾節関節といいます。)です。
 

ここに好発し、その頻度は70%前後と言われています。
 
ちなみに私は痛風の患者さんを何度か見たことありますが、めちゃくちゃ痛がってました。
 
腫れて熱を持っており
 
風が吹いただけで痛いというのは本当だろうな
 
と思いました。
 
ちなみになぜ体の関節の中でこの部位に好発すると思いますか?
 
それは尿酸の溶けやすさが温度によって変わるからです。
 
具体的に言うと尿酸は温度が高いところでは溶けやすく、温度が低いところでは溶けにくくなる性質を持っています。
 
では体の中で冷えやすい部分はどこでしょうか?
 
そう、ですね。
 
体の中で体温が下がりやすい部分は足であるため、溶けきれなくなった尿酸の結晶が出てきやすく痛風発作が起こりやすいのです。
 
逆に体温が下がりにくい肩や股関節には尿酸の結晶が出てきづらく、痛風発作は起こりづらいです。
 
また、時間帯としては冷えやすい夜に起こりやすいです。
 
痛風の他にはおしっこの通る管(尿管)に溶けきれなくなった尿酸の結晶が出てきて、尿路結石となる場合もあります。

尿酸値が他の病気の原因になっている可能性がある。

尿酸値が高いと腎臓に負担をかけてしまい、腎臓の機能を低下させてしまうことが知られています。
 
また将来的に高血圧を発症する原因の一つであるともいわれています。
 
このように尿酸値が高いと様々な病気の原因になりうることが示唆されています。

症状がなくても薬は飲まなくちゃいけないの?

現在の日本のガイドライン(高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版 2012年追補 ダイジェスト版)だと、治療方針は痛風の有無で大きく異なります。

痛風を繰り返す患者さんの場合

尿酸値が7.0mg/dLを超えていると生活指導に加えて薬物治療の適応となります。
 
6.0mg/dL以下にすることが望ましいと言われています。
 
溶けきれなかった尿酸の結晶がまた溶け始めるからです。
 

痛風がない場合

痛風がない場合の薬物療法は議論が分かれています。
 
アメリカでは痛風のない患者さんに薬物治療は推奨されていません。
 
日本では8mg/dL以上の患者さんには薬物治療を考慮しても良いと考えられています。
 
しかし、内服の前に生活習慣の見直しが前提です。
 
生活習慣を見直した結果尿酸値が下がれば内服が必要ない場合もありますので絶対内服しなければならないわけではありません。
 
しかし、中には腎臓の機能が落ちていたり尿路結石があったりすると内服加療を考えるため、内服するかどうかに関しては主治医と相談するようにしてください。
 
ちなみに高尿酸血症の生活指導の内容は
 
食事療法、節酒、運動療法、肥満の解消
 
が挙げられます。
 
よくある生活習慣病の生活指導です。
 
このページを見ている方の中にはなんども同じ生活指導をされてうんざりしている人もいると思います。
 
ちなみに私もその一人です。
 
2017年の健診で私の尿酸値は7.8 mg/dLでした。
 
私も現役バリバリの高尿酸血症です。
 
生活習慣の見直しが難しいことは私がよーく知っていますが、安易に薬に逃げることはおすすめできません。
 
歯を食いしばって同じ患者として一緒に生活習慣を改善していきましょう。

症状のない尿酸値高値で病院を受診する必要はあるの?

内服薬が出ないなら行く意味がない。
 
と思われる方もいらっしゃると思いますがぜひ受診してください。
 
先ほど述べたように高尿酸血症も合併症(腎機能の低下や尿路結石など)があると内服加療も検討します。
 
また生活習慣病の一つとも考えられるため、その他の生活習慣病があるかもしれないという目で医師は診察しています。
 
結果として尿酸には内服薬を処方しなくても、高血圧の治療を始めることがあったりするのでぜひ一度病院を受診してください。

まとめ

いかがだったでしょうか?
 
尿酸を指摘された場合は、症状がなくても病院を受診し医師の診察を受けるようにしてください。
 
生活習慣の見直しは簡単ではありませんが、一緒に頑張っていきましょう。