学会で講演をすることになりました

手術やカテーテルが終わった後にネクターを一気飲みするのは最高だと伝えたい。

手術の後にごくごく飲み物

公式飲料という言葉を聞くとどういう飲み物をイメージするだろうか。

例を一つあげるとサッカーワールドカップでいうアクエリアスのような存在だ。

イベントと何らかの企業がタイアップして売り出したい商品を公式飲料としてPRする。

こうして公式飲料は形作られていく。

ただスポーツに限らず我々の心のなかに

「こういうときは絶対にこれを飲む」

という自分なりの公式飲料があるのではないだろうか?

もちろん私にも自分だけの公式飲料が密かに存在している。

それがネクターだ。

術後公式飲料

手術の後にごくごく飲み物

ネクターとは不二家が出しているたいへんけしからん飲み物である。

ももの果汁がしっかりと使われている知る人ぞ知る飲み物で、自動販売機で見たことがある方も多いかもしれない。

実は私がネクターを飲み始めるようになったのは働きはじめてからだ。

研修医の時に心臓血管外科を回ったことがきっかけだった。

心臓血管外科の手術は手術時間が非常に長いものが多い。

5-6時間の手術はザラで、場合によっては10時間を超える手術も珍しくない。

手術の後にごくごく飲み物

その間食事や水を取ることもなくひたすら手術に没頭する。手術に集中している間は喉は渇かないし腹も減らない。

ただ手術が終わりICUに帰室して一段落つくとどっと疲れがわいてくる。喉が乾いていることにもその時気付く。

そんな毎日を送っていたある日当時の心臓血管外科の指導医が私にこう言ったのだ。

術後公式飲料を飲みに行こうぜ

と。

ネクターはオアシスの泉のようだった

指導医の後ろをテクテクついていき、ICUを出て自販機の前に着く。

術後公式飲料ってなんですか?

たくゆきじ

と聞いてみると黙ってネクターを渡された。

飲んでみろ

という無言のメッセージを心の中で感じ取りながら。

ふたを開けてみる。

プシュッ

ゴクッゴクッゴクッ

こ…これは…

たくゆきじ

手術の後にごくごく飲み物
ハンターハンター28巻より引用

思わずメルエムになってしまうくらい体にネクターが染みわたっていった。

うまい…あまりにうますぎる…

あまりのうまさに一気飲みしてしまった。

先生…これは…うますぎませんか…?

たくゆきじ

一気飲みして顔を上げて指導医に伝えたところ

だから公式飲料って言っただろ。

と不敵に笑う一人の指導医がそこにいたのだった。

心のオアシス

手術の後にごくごく飲み物

それ以来私はネクターの虜となった。

長い手術が終わった後はネクターを一気飲みするという謎のルーチンが出来上がってしまった。

外科として働いていない今でもその癖は続いている。

私は心臓血管外科ではなく現在循環器内科として勤務している。ただ内科と言っても3-4時間くらい飲まず食わずでカテーテルの手技に没頭することはままあることだ。

体感時間 志望科や進路が決まらない医学生、研修医へ。私の決め手は体感時間でした。

長時間のカテーテルでの治療が終わった後、毎回のようにネクターのことを思いだす。

忙しくて飲みにいけないこともあるが、なんとかネクターにたどり着けたら心身ともにエネルギーをかなり回復できる。

もしも私がラクダだったならネクターを飲んだ後背中のコブが一つ増えるんじゃないかと勘違いするくらいに。

手術の後にごくごく飲み物

こんな感じで私と公式飲料「ネクター」との付き合いはまだまだ終わる気配を見せない。

今後も心のオアシスとして私の支えになってくれることだろう。


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