日本大学に国内留学に来てからおよそ1年が経過した。
国内留学の期間は2年を予定しているため、もう折り返し地点まで来てしまった。
箱根駅伝でいうと往路は終わり、いまから復路を走ることになる。
今までの箱根駅伝はぼんやり見ていただけなのですが、今年は日本大学という明確な応援校ができてより楽しみですね…!!
— 内科医たくゆきじ (@takuyukiji) December 26, 2024
たくゆきじ
というのが偽らざる感想である。
いい機会なので、この1年間を振り返ってみたいと思う。
1年間の振り返り
この1年を振り返ってみると、3つテーマが思い浮かんだのでつらつらと書いていきたいと思う。
純度の高い時間
自分の専門性
テーマを見極める目
それぞれについて振り返ってみたい。
純度の高い時間
この1年を振り返ってみると私の中では「純度の高い時間」を過ごすことができたと思う。
ここでいう純度の高い時間とは、不整脈分野の勉強にかけることのできた時間を指す。
私が東京に住んだのは人生で初めてだけど、この1年間東京で遊んだ記憶はほぼない。
病院に行き、症例の振り返りや研究の解析を行い、そしてアパートで寝る。
ひたすらこれを繰り返していた。
院内、院外問わず飲み会はそれなりにしたけれど、初めて住む東京で観光をしたり一人でどこかに遊びに行くということはほとんどなかった。
強いて言えば池袋の某デパートでバイトの帰りにロレックスマラソンをしたことくらいだ。
ぺんぺん草も生えないような不毛な時間だったので、マラソンからはすぐに引退することとなったが。
話を戻ろう。純度の高い時間の話だった。
私もおじさんになってみると、自分のために時間を使うことができる、というのは本当にぜいたくなことだと身にしみて感じるようになる。
そんな中この1年間は、不整脈分野、特にカテーテルアブレーションに関して自分のためにどっぷりと時間を使うことができた。
まだまだ勉強中の身ではあるけれど、1年前に比べるとEPS中の流れを前よりは理解できるようになり、成長を実感できている。
「ここに来てからもう3ヶ月も経ったのか…」
と驚くくらい光の速さで毎日が過ぎていきますただ「EPS中のペーシングの意図」を国内留学の前よりクリアに認識できるようになった気がするので、まだまだ半人前ですが早く一人前になれるようもっと頑張ろうと思いました…!!#内科医たくゆきじの国内留学
— 内科医たくゆきじ (@takuyukiji) July 4, 2024
こんなブログを作ったりもした。
【外部リンク】EPSとABLの道しるべ
この1年を振り返ってみると
とつくづく感じている。
自分の専門分野
私が不整脈を専門に選んだのはおよそ3年前である。
大学院を卒業したタイミングだった。
実を言うと大学院を卒業した時点で、一般的な循環器診療の経験はあったものの臨床的なサブスペは何もなかったんだ。

この「不整脈を専門に選んだ」という表現は、主観的な表現である。
なぜこの表現にしたかと言うと3年前の時点で専門が不整脈である裏付けとなる実績を1つも持ってなかったからだ。
資格としても循環器専門医は持ってるけど、不整脈専門医は持っていない。
論文も書いてはいるものの、いずれの論文も不整脈領域ではない。
なので、私の名前を何かで調べたとしても
と思われたかもしれないが、
とは、決して思われなかったはずだ。
客観的な実績がないとその道の専門家とはみなされない。
そのことを科研費の申請の際に私は思い知っていた。

そのため3年前の時点では
ではなく
というのが最も適切な表現だったと思う。
ただこの1年、国内留学中に論文を2本書くことができた。
その2本の論文は不整脈、さらに厳密に言うと、不整脈の中でもカテーテルアブレーションに関する論文である。
ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
日大に国内留学に来てから書いたSVTのcase reportがアクセプトされたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!#内科医たくゆきじの国内留学#EP大学
— 内科医たくゆきじ (@takuyukiji) August 26, 2024
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
日大に国内留学に来てから書いた原著論文がついにアクセプトされたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
本っ当に嬉しい!!!!!!#内科医たくゆきじの国内留学#EP大学
— 内科医たくゆきじ (@takuyukiji) January 21, 2025
当然私1人で完結できるわけもなく、不整脈班の先生方から大きなサポートをいただいて何とか形にすることができた。
と心の底から思っている。

振り返ってみるとこれらの論文を書く過程でいろいろなことを調べ、そしてとても多くのことを学ぶことができた。
そして何より客観的な実績を積むことができたので、
と断言できる自信はまだないものの
くらいは言っていいのかな、と最近思うようになった。
そういう意味で、1年前に比べて前に進んでいる感じがとても嬉しい。
テーマを見極める目
最後はこれからの1年のテーマである。
それはなにかというと「論文化に値するテーマを見つけ出せる能力を身につける」ということだ。
論文執筆の能力というのは「論文になるテーマを見つけ出すこと」がほぼ全てなんだなぁと、最近つくづく実感している。
論文になるテーマさえ見つけ出せれば、データ収集などに関しては闘魂でどうにかなる。
ただ「何が論文になるテーマなのか」という見極めに関してはそうはいかない。
ここを見極められるようにならないと、一人前とは言えないと思うようになった。
今回日本大学に国内留学に来てから執筆した論文は、自分でテーマを出したわけではなくテーマをいただいた論文である。
そのため自分の中では
と思っている。
そのため国内留学後半戦の1年では
というテーマを見極める目を養い、あわよくばそれを形にできればいいな、と思っている。
まとめ
ということで1年間を振り返ってみた。
純度の高い時間
自分の専門性
テーマを見極める目
振り返ってみると往路は一瞬で終わってしまった。となると復路も一瞬で終わってしまうのだろう。
これからも純度の高い時間を過ごしていきたいと思う。
追伸
最後に国内留学先の日本大学医学部附属板橋病院の紹介をしておこうと思います。
私もおじさんになって思います。
それにもかかわらず私に論文化に値する貴重な研究テーマを授けてくれて、指導も本当に熱心に行ってくれます。
緊急ニュースです??
日大に国内留学しているたくゆきじ氏の“原著"論文(症例報告じゃないよ)がHeart Rhythmにアクセプトされた模様です??循環器頑張りたいけどどうやって頑張ればいいかわからない方、論文書きたい方、レベルアップしたい方、ぜひ日大へ??… https://t.co/3aBzdBp5Vp
— Koichi Nagashima@EP Univ. Ablation School (@Koichi16423232) January 21, 2025
さらにいうと私は入局している医局員ではなく期間限定の国内留学という立場なわけです。いずれいなくなる存在なわけです。
そんな立場なのに、本来なら身内の教育にかけるリソースを、国内留学の立場の私にもかけてくださるわけです。
本当に懐の深い医局だと思います。
入局や国内留学問わず日本大学で勉強したい方は、ブログのお問い合わせフォームやTwitterとかでDMくださればお話しますので気軽にお声がけください。