私は風邪を引くと咳が長引く傾向にある。
今回もゴールデンウィークあたりに風邪を引いて、それ以来咳が続いていたので5月の中旬に呼吸器内科を受診してCTを撮ることになった。
その結果、縦隔に偶然腫瘍が見つかった。
たくゆきじ
造影MRIまで撮像し、診断としては縦隔嚢胞。
嚢胞といっても気管支嚢胞や心膜嚢胞など色々あるようだが、とりあえず無事に良性腫瘍の診断に至り経過観察の方針となった。
このイベントを通して色々と思うところがあったので、考えてみたいと思う。
2年前の肝血管腫の時との違い
私は2年前に肝臓に腫瘤が見つかり造影CTをとった時がある。
こちらも肝血管腫の診断で、経過観察となっている。ただ肝臓の腫瘤に関しては造影CTの前から何となく血管腫だろうな、という思いもあった。
脂肪肝はあるがC型肝炎やアルコールの多飲歴はないので、そうだろうな、と思っていた。
しかし今回は縦隔の腫瘍である。
国家試験のときも勉強したが、縦隔の腫瘍には色々な鑑別疾患がある。今回もGoogleで「縦隔腫瘍 鑑別」みたいに検索してしまった。
胸腺腫(悪性腫瘍を含む)
嚢胞性疾患
悪性リンパ腫
胚細胞腫
肝臓の血管腫の時に比べてハズレ選択肢が圧倒的に多く、不安度は増す一方であった。
造影MRIを撮ったら結果として嚢胞性疾患(良性腫瘍)で、経過観察となった。心底ホッとした。
とはいえ造影MRIの結果が出るまでの間、やっぱり考えてしまうわけですよ。
と。
だから今回造影MRIを撮像して結果が出るまでの約1ヶ月の間に自分の人生について、色々と考えたんだよね。
今回のイベントで感じたこと
今回のイベントで考えたことは以下の2つである。
①今までの人生は意外と悪くなかった。
②ゴールだけを追うのではなく、道中を楽しんでいきたい。
この2つだ。それぞれ考えていきたい。
①今までの人生は思ったよりも悪くなかった
仮にこの縦隔の腫瘍が悪性腫瘍だったとしたら残された時間が思ったより短い。
こんな辛気臭いことを考えてしまうと、どうしても自分の人生を振り返ってしまう。
自分の未来の時間が想定していたより短いかもしれないと思うと未来に希望を抱けないので、すがれるのは自分の過去しかないんだよね。
それで今回自分の人生を振り返ってみると、それが意外と悪くなかった。
子宝にめぐまれたし。
2023/04/28 102.6kg
昨夜第四子が誕生しました
長男-次男-三男と男子が続く中、初の女児で我が家は歓喜に沸いています
上3人に続いてこの子も3000gを超えており、体重面で特大のポテンシャルを感じさせます
この度も夜中に対応してくださった産科スタッフの皆さま、本当にありがとうございました pic.twitter.com/hHlZ5lFc8B
— 内科医たくゆきじ (@takuyukiji) April 28, 2023
なんだかんだ言って本業もm3でのコラムの執筆なんかも楽しかったし
たくゆきじとして学会講演をするという面白い経験もできたし。
【告知】
2023年6月3日に岩手で開催される日本循環器学会東北地方会で講演をすることになりました実名は一切出さずアカウント名で講演するというダイバーシティに富んだ講演となっております
研修医向けセミナーではありますが誰でも参加できますので、参加される方は聴きに来て下さると嬉しいです pic.twitter.com/XnnBf0TRB5
— 内科医たくゆきじ (@takuyukiji) April 23, 2023
そういう意味で私は自分なりに人生そのものを楽しみながら生きてきた気がして、なんか嬉しくなってきたんだよね。
過去を肯定するのが上手な方なので、客観的にみるとバッドイベントだとしても主観的には「あの時の経験があったから今がある」と思える性格もあるかもしれないけれど。
そのため仮にあの時の読影がよくない結果だったとしても、悪くない人生だったと思えていた気がする。
②ゴールだけを追うのではなく、道中を楽しんでいきたい
①で自分の人生もそこまで悪くなかったなと思えた理由は、人生そのものをそれなりに楽しんでいたからだと思う。
ゴールのためにそこまでの過程の全てを犠牲にするような生き方ではなく、その間の経過を楽しめていたからなのかもしれない。
「引退するまでひたすら我慢して、老後にちょっとだけ楽しむ」という一般的なロールモデルは、
突発的に訪れる突然の死に際して、あなたに人生の満足感をもたらさない。
そして上記の「幸せなロールモデル」のうちに人生を終えられる人間はおそらく2割もいない。
8割は後悔のうちに死ぬことになる。
— フランケン (@BlackSheep8270) May 11, 2023
この前に焼肉を食べながら私が仲良くさせていただいている先生とこの話題について話した時に、人生を登山に例える話が出てきた。
登山というのはとても良い例えだと思う。
登山と言っても登頂というご褒美にたどり着けないとそこまでの過程が無になるようなものではなく。
山を登っている最中に「あの景色、いいな」のような感じで、その過程自体を楽しめるような感じ。
私には今短期的な目標と長期的な目標の両方があるけれど、目標達成のみに固執するのではなくその過程も楽しんでいきたいな、と思う。
まとめ|人生自体を楽しんでいきたい。
ということで今回のイベントで改めて思ったことは一つである。
目標は立てるしそれなりに努力もするけれど、目標に辿り着けなかったからといってその過程が完全に無駄だったと思うような感じではなく。
いつどこで登山が強制終了したとしても、今までの山登り楽しかったな、と思えるような人生にしていきたいな。
悪性でなくてよかったです!
知らない間に4人目のお子さんもw
おめでとうございます。
温かいお言葉、ありがとうございます!
ワチャワチャしており家の中は混乱しておりますが、日々楽しく過ごしております!