私は2019年4月よりコンビニ飯の連載を開始しました。
一時的にお休みをいただいた時期もありましたが、基本的に毎週木曜日の連載を継続することができています。
m3.comの「メンバーズメディア」というコーナーで「コンビニ飯」の連載を始めました。そしてなんだかんだ続けた結果、打ち切りになることもなく週刊連載を180回目を迎えることができました。
足掛け4年。
ここまで連載を継続できたこと自体純粋に嬉しいものです。
コンビニ飯を始めてから「この記事読んだよ」とリアルの場で初めてコンビニ飯の連載について医局の先生から声をかけていただいたこともありました。
ネット芸人であるSNS上の人格であるたくゆきじと、医局のリアルの私がリンクしたことが今でもとても印象に残っています。
私は医局内でもはや普通に身バレしていて、なんならTwitterとかブログが会話ネタにすらなっている現状を考えると
「Twitterやブログには同僚や家族に見せてもいい内容しか投稿しない」
というルールを最初に作っておいて本当に良かったと最近改めて感じています
— 内科医たくゆきじ@大学院 (@takuyukiji) March 19, 2021
さて今回足掛け4年の連載を迎え、今回の記事では週刊連載を継続するためのコツとそこから得たビジネスのヒントについて自分なりの意見を書いていこうと思います。
週刊連載の負荷の強さ
2019年4月にコンビニ飯の週刊連載を開始してみたわけですが、実際に連載をしてみると毎週決まったタイミングに記事を入稿するというのは想像以上に負荷が強いことに気づきました。
たくゆきじ
と思ったことを今でも覚えています。
コンビニ飯を本業にしてこれだけで食っていくならいざしらず、日中は当直も含めた医師としての通常業務をこなした上で週刊連載を行っているわけですのでまずまず大変でした。
と開始早々気づいたので仕組みを作ることにしました。
週刊連載をつづけるためのコツ
今まで4年ほど週刊連載を続けてきて、週刊連載を続けるためのコツは大きく2つあると考えています。
①記事ネタは自分の力だけで捻り出すのではなく、別のものに頼る
②記事作成の工程で任せられることは任せる
ということです。それぞれ紹介していきますね。
記事ネタは自分の力だけで捻り出そうとしない
まずひとつ目は
ということです。
そもそも私はエムスリーでコンビニ飯の連載をする前から、別なブログを立ち上げてコンビニ飯のレビューをしていました。我ながら暇ですね。
こちらのブログで実際に80記事ほどレビューを書いていたわけですが
と常々感じていました。
コンビニでは毎週のように商品が入れ替わるわけですが、そのサイクルの短さを実感したのはブログを立ち上げたときが最初でした。
そんな中ひょんなことからこちらでの連載の話が持ち上がったわけですが、その時の連載ネタを決める際にこのときの経験が生きました。
と感じたからです。
一回や二回の単発の記事を書くだけならいざ知らず、連載となると自分でひねり出す以外のルートでネタを出さなければ絶対にネタ切れになると思ったからです。
そのため連載ネタは、自分でネタ出しをしなくてもすむコンビニ飯を選択することにしました。
で実際にその考えは大当たりでした。
大手コンビニ各社がガンガン新商品を開発して記事ネタを供給してくれるので、私はそれにありがたく乗っかる形で省エネ連載を継続できているわけです。
そういう着想に至ると、こち亀で時事ネタを解説している回が多い理由なんかもわかりますね。
時事ネタをコンテンツの種にできれば自分でネタ出しをしなくてすみますから。
ちなみにこの考え方って、医師としての本業にも役に立つと思うんですよね。
講演会とかのネタに困った際には省エネでネタをひねり出す仕組みを自分なりに構築しようと思えるようになりましたし、この辺はコンビニ飯のノウハウが本業にも活きている気がします。
ということで週刊連載を続けるためのコツその1は
ということです。
記事作成の工程で任せられることは任せる
2つ目としては
ということです。
記事ネタの供給はコンビニにお任せできても、記事の執筆は当然自分でしなければなりません。
そのため、自分でしなくても良いと思うところはリストアップして家族に任せることにしました。
コンビニ飯の記事を作成するときの流れは以下の通りです。
①記事のテーマの決定とレビューする商品の選定
②商品の買い出し
③試食して感想をメモする
④記事に使う写真撮影
⑤写真の加工
⑥記事作成
最初は一人でこの過程を全てやっていたのですが、全部一人で行うと平均して5時間近くかかってしまうんですね。
毎週5時間。
コンビニ飯のためだけに、毎週5時間を捻出するのは無理でした。
そのためこの工程の中で人に任せても良いところは、全て家族に任せることにしました。
まず①の記事の商品の選定に関してですが、現在は私の両親が基本的に買ってきてくれています。
基本は自分でネタ出しをするのですが、最近は自分からテーマを投げかけなくても自発的に商品のネタ出しと買い出しを済ませてくれており大変助かっています。
そして②の買い出しも両親と妻がやってくれます。
①で選んだ商品を狙ってコンビニを回ることって実はけっこう手間がかかるんですよね。これを人にやってもらうと大きな時間の節約になります。
③は私がメインで行っています。
実際の過程としては音声入力でスマホに感想を入力し、家族で作っているグループLineに流して、その感想を取り入れて記事にしていく感じです。
ちなみに私だけではなく家族の感想も記事に取り入れられるように、みんながLineに感想を書ける様にしています。
例えばファミマの高級おにぎり特集の記事の際のグループラインはこんな感じです。
次々と感想がLineにアップされるので、レビューを書くのもそこまで手間がかかりません。
④の写真撮影は主に私が担当しています。写真撮影はそこまで時間がかかりませんから。ただ家族と一緒に商品を食べている時は私以外の家族にやってもらいます。
⑤の写真の加工に関しては、母に全て任せています。
撮った写真をコンビニ飯専用の背景にしたり、そのほかの写真のサイズを合わせるのは割と時間がかかるのですが、これも母に任せることで自分でしなくてもよくなりました。
撮った写真をクラウドサービス(Onedrive)にあげておくと、母がパソコンで加工して翌日には記事に使える状態になっています。
この辺に関してはマニュアルを整備して、何かあったときは誰でも代われるように体制を整えました。
⑥の記事作成については今まで作成した素材(感想と写真)を貼り付けると記事っぽくなります。Lineの感想をコピペし、加工してもらった写真を要所に貼り付けます。
あとそれぞれの商品の最後に商品の「栄養成分表示」がありますが、こちらは誰が入力しても同じなので商品の選定が終了した段階で父から入力してもらいます。
こんな感じで記事制作の過程の中で任せられるところをすべて任せた結果、1週間の中で私がかける時間はだいたい1時間30分程度になりました。
1時間30分なら捻出できますし、家族としても任せられた作業を楽しみ、生活のQOLもアップしているようです。
コンビニ飯型ビジネスモデルの限界
今回紹介した仕組みのうち、特に②はビジネスに応用が効く汎用性のあるノウハウだと感じています。
記事作成の工程で任せられることは任せる
自分がやっている業務内容を分解し、私がやらなくてはならないことと、私がやらなくても良いことに分類する。
その上で私がやらなくても良いこと、属人性がそこまで高くないことは他の人にお願いする。
そして私は私がやらなくてはならないことに集中する。
この辺の感覚はおそらくビジネスでも同じなのかなぁと思っています。
ただしこのコンビニ飯型ビジネスモデルにも限界はもちろんあります。
このモデルの限界は
ということに尽きます。
現在私はコンビニ飯を家族に手伝ってもらっています。
つまり家族をテコにレバレッジをかけているわけですが、家族の労働力の総和にも限界があるわけです。
例えば家族の健康問題を始めとした不測の事態が起こると、このモデルは維持できません。
その際にはまた別な仕組みを考えなければならないのだと思います。
まとめ
この週刊連載を通して個人的に一番タメになったことは
を経験できたことです。
①記事ネタは自分の力だけで捻り出すのではなく、別のものに頼る
②記事作成の工程で任せられることは任せる
こちらの仕組みには汎用性があると思いますし、小規模とはいえビジネスを立ち上げるような経験ができた気がして、この連載は私にとって本当に貴重な宝物のような経験になっています。
この記事を読んでくださる方の何かしらのヒントになったのであれば、とても嬉しいです。
本記事はエムスリーのメンバーズメディアのコラム「大公開!多忙な医師が「週1連載」を続けられる秘策」を大幅に加筆、修正したものです。
この他にもいくつか連載しておりますので、興味のある方はご覧になっていただけると嬉しいです。
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