こんにちは、たくゆきじ(@takuyukiji)です。
この記事では糖尿病の勉強に役立つ本を紹介します!
今回紹介する本はここが知りたい!糖尿病診療ハンドブック Ver.4です!
私は循環器内科が専門ですが、現在働いている病院には代謝内科の常勤医がおらず、自分である程度の血糖管理を行う必要があります。
ただ私は糖尿病の診療にあまり自信がないため、Twitterでおすすめの教科書を聞いてみることにしました。
【ゆる募】
赴任先の病院は代謝内科の先生が常勤でおらず、自分である程度の血糖管理、およびインスリンの導入をせねばならないようです恥ずかしながら今まで代謝内科の先生にお願いすることが多く得意とは言えないので、勉強用(できれば初学者向け)のおすすめの本を教えて下さると嬉しいです!
— 内科医たくゆきじ (@takuyukiji) 2019年4月4日
たくゆきじ
私はこのとき教えていた本のうち2冊を購入しました。
今回の記事では糖尿病診療ハンドブック Ver.4を紹介します。
ではご覧ください。
「ここが知りたい!糖尿病診療ハンドブック Ver.4」について
1度通読した後にわからないところを辞書として調べる使い方がおすすめです。
【ページ数】
429ページ
【通読にかかる時間】
私はスキマ時間に読んだので4日間くらいかかりました。
totalだと10時間程でしょうか。
【おすすめ対象者】
●糖尿病の治療方針をどう立てていいかわからない医師
●メトホルミンに苦手意識を抱いている医師
「ここが知りたい!糖尿病診療ハンドブック Ver.4」の書評
この本は400ページ以上のページ数をほこる骨太な本となっています。
ただ読み切ってみると読む前に比べ糖尿病の診断や治療に関する知識が身についたと思います。
基本的にどれも役立つ内容だったのですが、その中でも
という内容を厳選して4つ紹介します。
その内容は以下の項目です。
②高齢者の血糖コントロールの目標値
③経口血糖降下薬選択のアプローチ
④高血糖クライシスに対する対応
次の章からはこれらの内容を具体的に解説していきますね。
①初診時の糖尿病の治療方針の立て方
私は現在の病院で一般内科として勤務しているため、健康診断で異常を指摘された方を何人も診ています。
その中にはもちろん糖尿病が疑われている患者さんも多いです。
私は糖尿病の診断がついた患者さんのフォローアップはそれなりに経験がありますが、初診時から糖尿病の診療に携わる経験はそんなに多くありませんでした。
そのため初診時から糖尿病の診療に携わると
インスリンは使わないまでも経口血糖降下薬を初診時使うべき状態は?
初診時はどういう検査が必要で何科に紹介するのか?
といった疑問が次々と出てきました。
ただこれらの疑問はこの本を読むとある程度解決します。
この本を読んでからは初診時にあたふたすることが減りました。
②高齢者の血糖コントロールの目標値
お恥ずかしながらこの本を読むまで知らなかったのですが、高齢者に重症低血糖が危惧される薬剤を使用する場合はHbA1cの目標下限値が設定されているようです。
高齢者でも合併症予防のためにはHbA1cは7.0%未満を目指しますが、個々の症例の認知機能やADLに応じて安全な治療を行うために目標下限値を設定することも許容されるようです。
詳しいことはこの本を読んでいただくか、下のリンクの日本糖尿病学会の「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標について」というページを見ていただくと勉強になるかと思います。
【外部リンク】高齢者糖尿病の血糖コントロール目標について
③経口血糖降下薬選択のアプローチ
経口血糖降下薬に関する解説は前回の記事で紹介させていただいた糖尿病治療ガイド 2018-2019の本の内容ともかぶります。
ただこの本のほうが情報量が多く、薬剤の作用機序なども学ぶことができます。
また薬剤の選択に関しても「ADA/EASD コンセンサスレポート・2018」なども取り上げており、病態に応じた薬剤の選択の違いの解説はとても勉強になりました。
私は循環器領域の患者さんを診ることが多いため、動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)や心不全などの併存疾患に応じて薬を使い分けていこうと思います。
なおこの本でも糖尿病の基礎治療は「メトホルミンと包括的生活習慣改善」とされており、メトホルミンの重要性が強調されています。
メトホルミンに少し苦手意識を抱いている方も一度読んでみてくださいね。
関連記事:【糖尿病の教科書】糖尿病治療ガイド 2018-2019という本を紹介します。
④高血糖クライシスに対する対応
糖尿病の急性合併症は医学生も国家試験などで勉強するかと思います。
高浸透圧高血糖症候群(HHS)
と言われる状態で高血糖クライシスと言われます。
今までは院内の代謝内科の先生にコンサルトできましたが、今は自分である程度なんとかしなければなりません。
自分で対応せざるを得ない環境であるならば、一度読んでおいて損はないと思いますよ。
おすすめの使い方と対象者
もう一度おすすめの使い方と対象者を紹介します。
まず使い方ですが、最初にサラッと通読することをおすすめします。
ただ結構な情報量のため、最初に一回通読しただけでは到底覚えられません。
そのため最初に一回通読してどんな内容が書いてあるかなんとなく把握し、日常診療で出てきた疑問をその都度調べて解決していく使い方がベストだと思います。
またおすすめの対象者は以下の方です。
メトホルミンに苦手意識を抱いている医師
糖尿病診療に携わる機会があるのであれば買って損はありません。
リンク集
この章はおまけになります。
この本を読んでいるとガイドラインや学会ホームページのリンクを参照するように書いてあるところがポツポツ見受けられます。
その参照すべきページのリンク集を自分の備忘録がてら作りました。
まとめ
以上「ここが知りたい!糖尿病診療ハンドブック Ver.4」を読んで参考になった点を紹介しました。
どんな診療科の方でも糖尿病の管理に関するある程度の知識は必須だと思います。
是非一度読んでみて、明日からの診療に役立てましょう!
おすすめの医学書はこちらの記事でも紹介しています。
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