こんにちは、たくゆきじ(@takuyukiji)です。
今回の記事では循環器領域のおすすめの本を紹介します。
循環器診療を行う上で学ばなければならない領域はとても広いです。
勉強する時は本を買って座学で勉強するかと思いますが
研修医
という先生も多いかと思います。
そこで今回の記事では分野別に私がおすすめする本を紹介します。
どの本を買えばいいのかわからない方はぜひ参考にしてくださいね。
今回紹介する本は研修医や専攻医を想定しています。
循環器内科医が専門性の高い知識を身につける本ではないためご理解下さい。
循環器内科のおすすめの本・医学書・参考書
今回は以下の領域に対応するおすすめの本を紹介していきます。
循環器全般を学べる教科書
心電図
ホルター心電図
運動負荷心電図
ペースメーカー
循環器内科の薬の使い方
心不全の検査
循環器全般を学べる教科書
循環器内科の病態を学べる本としておすすめなのがこのハーバード大学テキスト 心臓病の病態生理です。
この本では心臓の解剖や活動電位といった基礎的な内容、心電図などの検査、循環器疾患の病態に関してなどを体系的に学ぶことができます。
全520ページのかなり骨太な書籍なのでローテートする研修医が読むには少し重い内容ですが、将来循環器内科を志している先生ならば通読することをおすすめします。
心電図
心電図の本はこの2冊のうちどちらかがおすすめです。
レジデントのためのこれだけ心電図
レジデントのためのこれだけ心電図は心電図の初学者のための本です。
医学生にもおすすめできるくらいにわかりやすく心電図について解説されています。
初学者といっても色々なレベルがありますが
というレベルの方でも理解できるくらいわかりやすく書いてありますので、心電図に自信のない方はぜひ読んでみてください。
「心電図のみかた、考え方」
心電図のみかた、考え方は「心電図の勉強の王道の本」という印象です。
ただ「王道」ときくと
と思われるかもしれませんが全くそんなことはありません。
ご覧のとおり研修医と指導医の対話形式で解説が進んでいきます。
心電図のみかた、考え方 基礎編より引用
心電図のみかた、考え方 応用編より引用
本書では軽妙な語り口でわかりやすく心電図の解説がなされ、着実に心電図の理解が深められるような工夫が凝らされています。
解説されている内容も心電図を読むために必要最小限の項目のみに絞られています。
またイオンチャネルや活動電位などのとっつきづらい話題は出て来ないのも特徴的です。
研修医などの若い先生方や循環器を専門としない医師にお話をする時には、心電図をきちんと読むためには、活動電位よりずっと大事なことがある!というスタンスで、あえて「活動電位」の話をしないことにしています。
心電図のみかた、考え方 基礎編より引用
本書内でもこのように述べられているくらいですからね。
着実に心電図の理解を深めたい方におすすめの書籍です。
ホルター心電図
ホルター心電図のおすすめの本はこちらの個人授業 心電図・不整脈です。
心電図の本は数多く出版され選択肢も豊富ですが、ホルター心電図の本はそんなに多くありません。
私も循環器内科として働き始めてからホルター心電図の判読を始めましたが
とかなり戸惑いました。
困った私が出会ったのがこの本です。
ホルター心電図に関してはこの1冊で十分な知識が得られると思いますので自信をもっておすすめします。
この本を読んで得られる知識は以下の内容です。
総心拍数、心拍数トレンドグラムといったホルター心電図で目をつけるべきポイント
具体的なレポートのコメントの記載例
CM5誘導などのホルター心電図特有の単語の解説
ホルター心電図の限界
と思われている方はぜひ読んでみてください。
運動負荷心電図
運動負荷心電図のおすすめの本はこちらの「運動負荷試験Q&A119」です。
循環器内科として働き始めると運動負荷心電図の検査に携わることも出てきます。
そんなときに
といった疑問が出てくるかと思います。
そのような疑問に対してQ&A方式で解説されているのが本書です。
全部で119個の疑問に対する解説が載っていますので運動負荷心電図に自信の無い方はぜひ。
ペースメーカー
ペースメーカーでおすすめする本は「個人授業 心臓ペースメーカー」です。
この本を読んで得られるペースメーカーの知識は以下のとおりです。
VVI,DDD,AAIといったペースメーカーの具体的な設定
sense,閾値,AV delayといったペースメーカーのパラメーター
ペーシング不全,undersense,oversenseといったペースメーカーの不具合の知識
レートレスポンスの意味
どれもペースメーカーの理解には必要な項目ばかりです。
これらの内容がとてもわかりやすく書かれています。
という方はペースメーカーに関して学ぶ最初の一冊としておすすめします。
循環器内科の薬の使い方
循環器内科の薬の使い方を学べる本でおすすめなのはこの循環器治療薬ファイルです。
この本の素晴らしい点は病態に応じた具体的な薬剤と投与量が書いてあることです。
ちなみにどのくらい具体的かというと
というくらい具体的なので初めて使う薬でも安心して使うことができます。
もちろん静注薬、内服薬両方の解説が載っています。
循環器領域の薬を使用する際に
と不安な先生はこの本に一度目を通しておきましょう。
心不全の検査
心不全の検査を学ぶにはThe Manual 心不全のセット検査がおすすめです。
私が循環器内科として働きだして本格的に心不全患者の診療が始まってからまず悩んだのは
ということでした。
心不全の基礎疾患は以下のように多岐に渡りますから。
虚血性心疾患
弁膜症
不整脈
心筋症など
これらに対する検査を予定する時にその都度検査項目を選択すると、いくつか必要な項目が抜けてしまうときってありますよね。
他にも
外来でのフォローの際に必要な検査
心嚢液貯留のときに必要な検査
など心不全の診療には必要な検査が様々あります。
この本では心不全の検査をセットメニュー化することで、病態ごとに必要な検査を抜けなくオーダーすることが重要と書かれており、実際に具体的な検査のセットが書いてあります。
と悩まれている先生はぜひ一度ご覧ください。
「The Manual 心不全のセット検査」のレビューはこちら
循環器内科のおすすめの本・医学書・参考書|まとめ
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