こんにちは、たくゆきじ(@takuyukiji)です。
この記事では医学統計の勉強に役立つ本を紹介します!
今回紹介する本はいまさら誰にも聞けない 医学統計の基礎のキソです!
ではご覧ください。
「いまさら誰にも聞けない 医学統計の基礎のキソ」について
今回紹介するいまさら誰にも聞けない 医学統計の基礎のキソは全3冊のシリーズ物です。
この本のコンセプトは以下のように本書の中で紹介されています。
これまで実際に統計処理はしなくても、結果を読み取りたい人のための統計の本はなぜかほとんどといっていいほどなかったんです。この本では、医学論文を読む立場の人を対象にして、統計の解釈の仕方を紹介します。
・・・いまさら誰にも聞けない 医学統計の基礎のキソ 1巻より引用
このように本書では医学論文を読む際の統計の解釈の仕方がわかりやすく解説されています。
そのためこの本は以下の方におすすめです。
医学統計を勉強したいけれどもどの本を読めばいいのかわからない医学生
抄読会の準備に四苦八苦している研修医
ただ統計の教科書と聞くと
と思われる先生もいらっしゃるかと思いますので、実際のページを紹介します。
医療系のブログやAmazonのレビューで統計初心者にも優しい本だというのは頷ける内容でしたね。
「いまさら誰にも聞けない 医学統計の基礎のキソ」の書評
ではそれぞれ個別にレビューしていきたいと思います。
第1巻
第1巻は以下の用語に苦手意識を持っている方におすすめできます。
P値
95%信頼区間
平均値と中央値の違い
標準偏差
有意差について
四分位範囲
どれも論文を解釈する上で必要な知識ばかりですが、字面をみて嫌になり投げ出したくなるのも事実です。
ただ本書ではこれらの用語を理解する上で数式や計算式など難しい話は一切出てこず、それでいてわかりやすく噛み砕いて説明してくれています。
もしこれらの用語にひとつでも不安があればぜひ一度読んでみて下さい。
第2巻
第2巻は2部構成になっています。
【前半】
医学研究の種類の確認
【後半】
統計の結果や図表の解説
前半では
観察研究と介入研究
横断研究と縦断研究
前向き研究と後ろ向き研究
コホート研究とケースコントロール研究
などに関して具体的な例を交えながらわかりやすく解説されています。
自信が無い方は一度読んでみることをおすすめします。
後半では医学論文の解釈のためには欠かせない「表」や「図」に関してわかりやすく解説されています。
例えば
箱ひげ図
エラーバー
カプランマイヤー曲線
と言われて解釈の仕方や見方がわかるでしょうか?
箱ひげ図の例
エラーバー(赤丸)の例
カプランマイヤー曲線の例
もしちんぷんかんぷんなのであれば第2巻はおすすめです。
他にも以下の用語に関する解説もありますのでぜひ読んでみてくださいね。
●相関
●回帰直線・回帰曲線
●感度・特異度
●陽性適中率・陰性適中率
●NNT
第3巻
最後に第3巻を紹介します。
今までの2巻は論文解釈のために必要な知識の解説でしたが、第3巻は少し毛並みがちがうんですよね。
本書では読んでいる論文の質の高さを評価するために必要な知識が解説されています。
抄読会のための論文を選ぶ時は
となりがちです。ちなみに私の場合今でもそうです。
ただいずれは自分で論文の質を評価できるようにならなければなりません。
そこで本書では質の高い論文を選ぶためにみるべきポイントを18個紹介しています。
具体的には以下の内容が解説されています。
主要評価項目(primary outcome)と副次評価項目(secondary outcome)の違い
プラセボ効果、ホーソン効果
なぜ二重盲検ランダム化比較試験は信頼性がおける研究なのか
パワー分析について
αエラー(type Ⅰ error)とβエラー(type Ⅱ error)について
医学雑誌名以外で論文の質を判断できるようになりたい方は本書を読むのがおすすめです。
「いまさら誰にも聞けない 医学統計の基礎のキソ」を買うときの注意点
本書は間違いなく素晴らしい本ですが、買う際には注意点があります。
それはこのシリーズは「医学論文を読む立場の人」を対象としているという点です。
この本では、医学論文を読む立場の人を対象にして、統計の解釈の仕方を紹介します。
・・・いまさら誰にも聞けない 医学統計の基礎のキソ 1巻より引用
そのため学会で発表する際や論文を作成するためにデータを解析する際の手法に関する解説はありません。
そのため論文を読むために必要な知識を身につける本と思って読んでいただくのが良いと思いますよ。
なお実際にデータを解析する時の基礎知識を身につける本としては「いちばんやさしい医療統計」という書籍がおすすめです。
またこのシリーズは基本的に第1巻から読み進めていくシリーズものです。
そのため
と思っても1巻から順番に読むことをおすすめします。
「いまさら誰にも聞けない 医学統計の基礎のキソ」|まとめ
以上「いまさら誰にも聞けない 医学統計の基礎のキソ」を紹介しました。
この本は医学統計初心者には強くおすすめできる本です。
医学統計の勉強を始めたい方はぜひ一度読んでみてくださいね。
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