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人生初の論文がAcceptされたので、その道のりを書き記しておく

人生初の論文がAcceptされたので、その道のりを書き記しておく

こんにちは、たくゆきじ(@takuyukiji)です。

先日人生初の論文がアクセプトされました。

Publishのメールを見た時は実験室にいたわけですが、ちょうど一人きりのタイミングだったこともあり、思わず大きなガッツポーズをしてしまいました。気分は安西先生です。

人生初の論文がAcceptされたので、その道のりを書き記しておく

上記画像はスラムダンクより引用

今回初めて論文を書いている時の感覚は、先が見えない洞窟の中を進んでいるような感覚でした。

ただその分Acceptされると本当に嬉しくて、メールを見た瞬間、私が「脳汁」と名付けている脳内物質が駆け巡るのを感じました。

人生初の論文がAcceptされたので、その道のりを書き記しておく

上記画像はアカギより引用

ということで今回の記事ではこの嬉しさを忘れないうちに、初めて論文を書いてからacceptまでの流れをまんまブログに残しておきたいと思います。

論文執筆開始

今回の論文執筆を開始したのは、2020年の年末です。

大学院で私を指導してくださる先生からテーマをいただき、とあるデータベースの解析内容を論文にすることになりました。

色々な事務手続きが完了し、データの解析を終え、実際に論文執筆にうつったのは2021年3月下旬です。

とりあえず右も左もわからぬ状態で開始したわけですが、まず最初に私がやったことは日本語で原稿を書いてみることです。

英語の苦手意識があることも背景にあるのですが、そもそも母国語ですら論理的な文章が書けないのではないかと思ったからです。

英語も苦手

論理的な文章を書くことも初めて

こんな状態で英語論文を書けるかというと絶対に無理だと思いました。

そのためまず日本語で論文を書けるかどうかから試してみることにしました。

んで実際にゼロから書いてみたところ、まぁ全然書けないですね。

あ、これは英語力がどうこうじゃないな…

たくゆきじ

と強く思いました。そもそも日本語であっても論文を書くことができなかったわけです。

論文の構成を意識する

次に論文の構成を意識することから始めました。

今までの私の医師人生を振り返ってみると、レポートや学会発表は先輩からもらったスライドやらレポートを参考にして型にはめていく作業でした。

学会発表 学会発表を控えた医学生、研修医は必見! 症例報告のスライドの作り方を解説! 循環器専門医試験 循環器専門医試験|レポートなど準備すべき書類をまとめました。

論文もそれに近いのだろうと思い、まずは論文の構成を学び型にはめることからはじめました。

論文はざっくりと

Introduction

Methods

Results

Dicussion

Conclusion

という構成になっています。

この構成の中でさらに具体的にどう書くのかについて、論文の構成の理解を深めていきました。

例えば

解析方法を説明する「Statistical analytics」はMethodsの最後に書くようだ

Discussionの中で最初の段落は「Main Findings」という今回の研究のResultsのまとめを書くようだ

のような感じです。

この辺を勉強していくと

やっぱり論文にも「型」があるんだな…

たくゆきじ

ということが、自分が執筆するタイミングでよくわかりました。

こういうことは自分が執筆してみるタイミングでないと、なかなか意識できないですね…

ただこの構成を学ぶと他の論文を読む際も大事なところがどのへんに書いてあるかがわかるようになるので、以前よりもスピーディーに論文を読めるということがわかりました。

以前私は英語論文を読むための勉強方法という記事を書いたことがあるのですが、自分で書いてみるのが一番勉強になることを初めてここで実感しましたね。

医学論文の勉強 英語論文を読むのが苦手な方に必要な勉強法をまとめてみました。

IntroductionとDiscussionが書けない問題

論文の構成を学んでからも、絶望は続きます。

何に絶望するかというと、IntroductionとDiscussionが全く書けないことです。

MethodsとResultsは自分がやった解析方法と結果をそのまま書くだけなので書きやすいのですが、IntroductionDiscussionは過去の報告をもとに考察することが必要となります。

最初は本当に書けませんでした。というか今でも自分の力だけでは書けません。

この時点で私が今回の論文の領域の知識があまりにも少ないことにいやでも気づかされます。

何が現時点でわかっているのか

何が現時点でわかっていないのか

そもそも今回の内容の新規性はなんなのか

こういう基本的なことを、そもそも理解できていなかったわけです。

この知識を頭に叩き込むには、ひたすら力技でその領域の論文を読み続けるしかありません。

ということで腹をくくり、ひたすらDeepLを使って当該領域の論文を読み続けることにしました。

この辺は振り返ってみても、正直言って力技でしたね。

たくゆきじ

淡々と論文を読み続けていました。

ただこの時に何本も何本も論文をよんだおかげで、DeepLがあれば自分でも論文を読めるという謎の自信がつきました。

無限に論文にさらされることで、論文アレルギーも自然と無くなっていくことに気づきました。

やっぱりどこかで気合を入れて数をこなさなければならないんだなぁ

たくゆきじ

と強く思いましたね。

そして何本も何本も論文を読んでそれっぽい論旨を組んで、ようやく論文が出来上がりました。

ただこの時点では日本語なので、英語に直す必要があります。

Deep Lを使って翻訳した論文がバレる

とりあえず日本語の原稿は完成したわけですが、その論文を英語にする必要があります。

このときの私の心境はこんな感じでした。

英語から日本語に翻訳するときはDeepLがあんなに流暢に翻訳してくれる。逆もまたしかりのはずだ。Deep Lが流暢な英語にしてくれるはずだ。

こんなことを本気で思っていたので、自分なりに書いた日本語の論文を全てDeep Lにぶち込んでWordにコピペし、Mendeleyを使ってReferenceをつけて指導医の先生に提出しました。

Mendeleyの使い方 Mendeleyの使い方|無料で使える文献管理ソフトで論文を管理しよう
ふぅ…これでまずは一段落だな…

たくゆきじ

と思っていたのですが、DeepLからコピペしたのが指導医の先生にバレました。

たくゆきじ先生、ちょっといい。
はい、なんでしょうか?

たくゆきじ

この送ってもらった論文の原稿、DeepLをコピペしたでしょ?
……そのとおりでございます……

たくゆきじ

人生初の論文がAcceptされたので、その道のりを書き記しておく

上記画像はジョジョの奇妙な冒険より引用
Deep Lがすごく流暢に翻訳してくれるので、それで問題ないと本気で思っていました…

たくゆきじ

もう一回直してからメールしてね。
わかりました…すみません…

たくゆきじ

…あの…ちなみに…なんでわかったんですか…?

たくゆきじ

いや、あれはおよそ人間が書いた文章とは思えない感じだったから。

Deep LはTPOを考慮して翻訳してくれない(気がする)

なぜ気づかれたのかを考えてみたところ、以下の考えに行きつきました。

Deep LはTPOまで考慮してくれない(気がする)

例えば「I am sad.」という文章を日本語にする場合を考えてみましょう。

①ぴえん

②遺憾の意を表明します。

このどちらもある意味同じ意味の日本語訳です。

ただ使うタイミングが違うわけです。

今回の場合

①は親しい友達との会話でよく使う表現

②は岸田総理大臣が記者会見でよく使う表現

と同じ内容を意味する日本語でも、使うタイミングが違うというわけです。

そういうことから考えると、Deep Lは文章をうまいこと訳してくれますが、「論文用の文章」なのか「友達同士で使うような文章なのか」などのTPOまでは考慮してくれないと感じました。

そのためDeep Lを使って翻訳された英語が、論文っぽい表現なのかをチェックする必要があります。

そこで使った本が「ネイティブ発想の医学英語論文」という本です。

このツイートについたリプで教えていただきました。

この本は本当に秀逸で、DeepLで出力された英語をこの本の表現に寄せて直すことで、それっぽい表現に直すことができました。

これを使って全ての文章を直してから再提出しました。

この過程で用いた表現は、今でも自分の頭の中に残り続けています。

一度アウトプットするどういうタイミングでどういう英語を使うのかがなんとなく頭に残るので、これまた大変勉強になりました。

直した英語論文を再度指導医の先生に提出し、何度も指導していただきました。

そもそも最初提出した論文にはFigure Legends(図の説明文章)がなかったりしていたわけですが、何度も修正することで徐々にそれっぽい形になっていきました。

最終的にこれで行こうという形になった後で、英文校正にかけてもらった後に投稿することになりました。

ちなみに最終的に投稿した論文はver15になっていました。

またver15の論文の中でver1から残り続けている文章はタイトルのみで、それ以外に私が最初に書いた文章は忘却の彼方に消え去っていました。

実際の投稿後

論文を書き始めたのが2021年3月下旬で、実際に投稿したのは2021年8月上旬でした。

指導医の先生と相談し、とりあえず最初のjournalに投稿してみることになりました。

投稿1回目

投稿後1ヶ月くらい音沙汰がありませんでした。

なんでもEditor kickというものがあり、一瞬でけられることがあるらしいということは知っていましたがそれは回避できたようです。

指導医の先生とは

1ヶ月間音沙汰がないってことは、しっかり査読してもらえているんですかね。

たくゆきじ

といった感じで査読結果を待っていました。

そして2021年9月中旬にメールが来ました。

今回は残念ながらacceptできませんでしたが、我々はあなたの研究が大変素晴らしいものと評価しております。他の論文に掲載されることを祈っております。

というお祈りメールが送られてきました。

いわゆるRejectというやつです。

その中にReviewerからのコメントが書いてありました。

一人は建設的なコメントをしてくれていたのですが、もうひとりは意味不明なコメントが書かれていました。初心者の私が読んでも意味不明なコメントだったので

どういう意図なんですかね、このコメントは…?

たくゆきじ

と相談したところ

当たり運がわるかったね。

とのことだったので、「そうだ、このコメントはクソリプなんだ…」と自分に言い聞かせて次に進むことにしました。

とはいえ実際にRejectを喰らうとそれなりに精神的にダメージを受けます。

人生初の論文がAcceptされたので、その道のりを書き記しておく

上記画像はスラムダンクより引用
あんなに解析したのに…!

たくゆきじ

と気分は赤木晴子です。

3日間くらい凹んでいましたが、まぁこういうもんだと思い別な雑誌に投稿しました。

ただ投稿規定を新しい雑誌用に直すのって本当に大変でしたね。

せっかくその雑誌に寄せていたのに、Running titleだとかFigure Legendの位置だとかをいちいち直さなければなりません。

さっさとアクセプトしやがれ!!

たくゆきじ

と心のなかでクソリプレビュワーを呪いながら、ひたすら直していました。

投稿2回目

投稿規定を整えて、2つ目の雑誌に投稿しました。

投稿したのは2021年10月上旬でした。

こちらの雑誌もeditor kickを回避し、返事が来たのは2021年11月中旬でした。

この論文は時代の流れに合っていません

とばっさり切り捨てられるRejectのメールが来ました。

人生初の論文がAcceptされたので、その道のりを書き記しておく

上記画像はスラムダンクより引用
またRejectかよ…

たくゆきじ

と思いながらも2回目になると耐性がついていたようで、こちらの精神的なダメージは1回目よりも小さかったです。

投稿3回目

ちょうど学位審査とも重なってしまったので投稿規定を直すのに時間がかかりましたが、2021年の12月下旬に3個目の雑誌に投稿しました。

もうRejectは勘弁して下さい、お願いします。

たくゆきじ

と思っていたら、2022年2月上旬に

査読者のコメントを踏まえ適切に論文を修正したら、acceptしてやらんこともないぞ

という返事が帰ってきました。

いわゆるMajor Revisionというやつです。

初めてReject以外の返事が来たのでとても嬉しくなると同時に、このチャンスをどうにかものにしようと強く決心しました。

査読者のコメントは全部で11個あり、それらのコメントに適切に対処することが求められました。

そして返事をする際には原稿だけではなく、Response to Reviewerという査読者のコメントに対する返事の文章が新しく必要になることを初めて知りました。

Reviewerのコメントに対して

Thank you for your excellent comment.

Thank you for your good comment.

と11通りの方法で査読に対する感謝の言葉を伝えながら、修正し続けました。

こちらのサイトの表現集が大変参考になりました。

たくゆきじ

再解析が必要なコメントもあれば、そうじゃないコメントもありましたが、自分なりに返事をして指導医の先生に見ていただきました。

それで指導していただきながら

あぁ…こうやって返事するといいんだな…

たくゆきじ

とこの過程も本当に勉強になりました。

それで全てのコメントに対してなんとか返事をして、祈りながらReviseを投稿しました。

Reviseの返事をしてから3週間ほど立ったところで再度返事が来ました。

あなたの論文がacceptされたことをお知らせします。

という内容のメールです。ようやく論文がacceptされたのでした。

論文がacceptされてみての感想

論文がacceptされてみると、論文執筆は山登りに近いのではないかと思いました。

山に登っている最中はとても辛いのですが、登りきってその景色を眺めた時にその疲れが全て吹き飛ぶと聞いたことがあります。

登山家の方も登頂した時の「脳汁」のために、登り続けているのではないかと思いました。

人生初の論文がAcceptされたので、その道のりを書き記しておく

個人的に今回の論文もそれに近いところがありました。

執筆やらrejectされている最中はめちゃくちゃ大変なんですけど、あのacceptのメールが来た時のあの達成感はなんとも言えないものがありましたね。

あれは本当に嬉しかったですね…

たくゆきじ

あとこの論文執筆の最中に得たものもたくさんあります。

論理的な文章を書くためのコツ

グラフやテーブルの作成方法

統計ソフトの使い方

論文アレルギーの解消

この辺の能力は、今回の論文を書く前と書いた後とではぜんぜん違うと我ながら思いました。

とてもいい経験ができたと思います。

たくゆきじ

まとめ

ということで今回は論文を執筆してからacceptされるまでの道のりを書いてみました。

これから論文を書き始める方の参考になれば嬉しいです。

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2 COMMENTS

たくゆきじ

ありがとうございます!

私もまだまだ初心者の身で恐縮ですが、参考にしていただけた点があったのであれば嬉しいです!

今後も背伸びせず等身大でブログやTwitterを更新していきたいと思います^^

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