こんにちは、たくゆきじ(@takuyukiji)です。
この記事では
を紹介します。
どの科を専門とするにせよ感染症の勉強はある程度する必要があります。
ただ勉強しようにも感染症関係の本は何冊も出ているのでどの本を読めばいいのか悩みますよね
そこで今回の記事では感染症の本の選び方を紹介します。
私が実際に使用してみておすすめする感染症の本も合わせて紹介していますのでぜひご覧ください。
せっかく買った本に知りたい内容が書いてない時ありませんか?
感染症に関する疑問が出てきて本を読んでみたものの
たくゆきじ
と思うことありませんか?
少なくとも私は何度か有りました。
最初は理由がよくわからなかったのですが、何冊か感染症の本を実際に読んでみたところ理由がわかりました。
その理由は
です。
例えば以下はどちらも感染症に関する解説ですが、それぞれ内容は違いますよね。
●臓器別の感染症(肺炎や腎盂腎炎など)の解説
●抗菌薬(ペニシリン、セフェムなど)の解説
このように本によって詳しく解説されている感染症の分野が若干異なります。
そのため例えば「腎盂腎炎という感染症に関する解説」を勉強したい医師が「ペニシリン系抗菌薬の作用機序」が詳しく載っている本を読んでも
ということが起こるわけです。
解説されている内容と知りたいことが少しずれているというわけですね。
感染症・抗菌薬の本の選び方
と思われる先生もいらっしゃるかと思います。
これに関する私なりの意見を述べます。
私は臓器別の感染症の解説や臓器別の抗菌薬の使い方について解説されている本を最優先で買うのが最も良いと思います。
なぜならば日常診療において
と思うより
と思うことのほうが圧倒的に多いからです。
そのためまず臓器別の感染症に関する本を読んで感染症の理解と抗菌薬の使い方を身につけ、その後周辺領域を勉強するのをおすすめします。
仮に私が今から感染症の勉強を始める研修医だとしたら以下の手順で本を買って勉強すると思います。
①臓器別の感染症の解説(抗菌薬の使い方も含む)がわかりやすい本を買って読む。
②実際の患者さんに適切な抗菌薬を選択し、感染症に関して経験して理解を深めていく。
③ある程度抗菌薬を使い慣れたところで抗菌薬に関する解説が詳しい本を読みさらに理解を深めていく
この順番だと実臨床で使える知識から身につけることができるためおすすめです。
では次章では実際におすすめする感染症の本を紹介していきます。
おすすめの感染症・抗菌薬(抗生剤)の本・教科書
今回紹介する本は全部で4冊です。
【臓器別の感染症の解説(抗菌薬の使い方)がわかりやすい本】
【抗菌薬(ペニシリン、セフェム等)の解説がわかりやすい本】
【感染症の辞書として使う本】
感染症プラチナマニュアル
まず紹介する感染症プラチナマニュアルの特徴は臓器別の感染症の解説が大変わかりやすいことです。
というような日常診療の疑問にも答えてくれますよ。
使用する薬剤に関しても各感染症ごとに
のように大変具体的に書いてあるのもありがたいです。
また臓器別の感染症に関する解説だけではなく、微生物や感染症の治療薬の解説も載っています。
感染症診療の手引き
この本も臓器別の感染症の解説がメインです。
ただ上で紹介した感染症プラチナマニュアルに比べると記載されている内容はコンパクトで、通読して知識を仕入れる本というよりわからないことをその場で調べるのに向いている本です。
サイズもそこまで大きくなくて持ち運びやすいですしね。
白衣の胸ポケットに入れて常に携帯しておきたい本です。
絶対わかる抗菌薬 はじめの一歩
この本は抗菌薬の作用機序に関する解説がわかりやすい本です。
絶対わかる抗菌薬 はじめの一歩で作用機序を紹介されている抗菌薬は以下の11種類です。
②セフェム系抗菌薬とモノバクタム系抗菌薬
③カルバペネム系抗菌薬
④グラム陽性球菌カバー薬
⑤アミノグリコシド系抗菌薬
⑥ニューキノロン系抗菌薬
⑦マクロライド系抗菌薬
⑧クリンダマイシン
⑨テトラサイクリン系抗菌薬
⑩メトロニダゾール
⑪ST合剤
と思われるかもしれませんがこの本は図解付きで作用機序がわかりやすく解説されています。
抗菌薬自体の理解を深めたい方はぜひ一度読んでみることをおすすめします。
レジデントのための感染症診療マニュアル
このレジデントのための感染症診療マニュアルは日本の感染症治療におけるバイブルと言える書籍で現在第3版まで改訂されています。
この本の構成は以下のとおりです。
②感染症治療薬の概要
③医療関連感染の予防
④検体の取り扱いと検査の考え方
⑤特殊な発熱患者へのアプローチ
⑥臓器別の感染症各論
⑦性感染症
⑧重要な微生物とその臨床像
⑨免疫不全と感染症
⑩HIV感染症・後天性免疫不全症候群
⑪重症敗血症・敗血症性ショック
⑫予防接種
⑬旅行・熱帯
そのためこの本は一部通読し、あとはわからないときに辞書的に調べるという使い方がおすすめです。
ちなみにこの本を買ったら第1章の「感染症診療の基本原則」だけは通読しておきましょう。
この章は34ページとそこまでページ数は多くありませんが、感染症診療の際の考え方の基礎が凝縮されており読む前と読んだ後では感染症治療に対する姿勢が変わってきます。
第1章以外は日常診療で困ったときに調べる辞書として使いましょう。
おすすめの感染症・抗菌薬(抗生剤)の本・教科書|まとめ
感染症・抗菌薬の選び方とおすすめの本を紹介しました。
どの本を買っていいか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてくださいね。
【臓器別の感染症の解説(抗菌薬の使い方)がわかりやすい本】
【抗菌薬(ペニシリン、セフェム等)の解説がわかりやすい本】
【感染症の辞書として使う本】
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