先日帰省した際に私の部屋から一冊のノートが偶然発見された。
このノートを見つけた瞬間タイムスリップしたような感覚に襲われた。
あれは10年以上前…
私がレコーディングダイエットをしていた時のこと…
自分だけの食べログを作っていたときのこと
その頃の記憶が走馬灯のように頭をよぎった。
これは私の敗北の物語だ。
いつまでもデブと思うなよ
ことの発端は一冊の本からだった
「いつまでもデブと思うなよ」という本である。
岡田斗司夫さんがレコーディングダイエットに取り組み、1年間で50キロの減量に成功した時のエッセイである。
まぁその後25kg程リバウンドしてしまうというオチがつくのだが、当時は一斉を風靡した書物であった。
私はこの挑戦的なタイトルに大いに興味を惹かれ読んでみることにした。
この本をとても大雑把にまとめると要点はこうだ。
①まず自分の食べた食べ物を記録し自分を見つめ直す。
②基礎代謝ギリギリまでカロリーを抑える。
③自然と痩せていく。
これを実践したところ1年で50キロの減量に成功したという。(もちろん詳細は本を読んでほしい。)
最初は鼻をほじりながら読んでいた私も徐々にその気になってきた。
当時103kgで紛れもない弩級のデブであった私にもできるんじゃないかと思わせられる魔力がその本にあった。
だって岡田さんは120kgともっと太っていたのだから。
心にその言葉を刻みこみ、レコーディングダイエットをはじめてみることにした。
レコーディングダイエットを始めてみた
そしてレコーディングダイエットを始めてみた。
記念すべき最初の日の食べ物はこんな感じである。記録を付けることで自分がデブである理由を瞬時に理解することとなる。
はっきり言って終わってますよね。
ダイエット初日にも関わらずカレーを2人前食べてやつがどこにいるというのだ。
実家の自分の部屋からレコーディングダイエットをしていた頃の記録が出てきたため懐かしさに浸っていました
なお摂取カロリーの目標が1700kcalとなっているのにレコーディングダイエット初日から約3000kcalを摂取していたようで
「本当にどうしようもない奴だな、こいつは」
と我ながら思いました pic.twitter.com/Vvc0VCvIQx
— 内科医たくゆきじ (@takuyukiji) November 10, 2019
こりゃ太るわ、と。
ただそうそう自分の生活習慣をすぐに変えられるはずもなく、目標カロリーである1700kcalをオーバーする日が続いた。
カロリーの借金があまりにもたまりすぎてカロリーの徳政令が発動したこともある。
かつてのレコーディングダイエット中は1700kcal以上食べた時は借金として記録し翌日のカロリーを抑えてました
1900kcal食べた日の借金は200kcalで,翌日1500kcalまで抑えて借金返済するイメージです
ただどんどん借金が膨れ上がっていたようで最終的に徳政令が発動されており読んでいて吹き出しました pic.twitter.com/7NY0JZRP4R
— 内科医たくゆきじ (@takuyukiji) November 10, 2019
ただこういう失敗を乗り越え徐々にレコーディングダイエットは軌道に乗っていった。
1700kcalを達成できる日も徐々に増えてきて体重も徐々にではあるが着実に痩せていったのだった。
だが続けていくうちにレコーディングダイエットには大きな問題点があることに気付く。
それは外食先のカロリーがわからないということだ。
外食先のカロリーがわからない
幸楽苑やガストといったチェーン店では各メニューにカロリーが書いてある。
こういうチェーン店にいくぶんにはカロリーが計算できるためレコーディングダイエットをする上で全く問題ない。
ただ問題はチェーン店以外、いわゆる個人店で外食する場合だった。
そのへんのラーメン屋のメニューにはカロリーが書いていない。
それはレコーディングダイエットをする上で致命的な欠点となる。カロリーがわからないのだからレコーディングしようがない。
最初はカロリーが計算できるチェーン店で外食をしていたのだが、時間が経ってくると個人店で好きなラーメンを食べたくなってくる。
しかしカロリーがわからない…
どうすればいいんだ…
ただある日この問題を解決する一つの妙案が頭にひらめいた。
「店のラーメンのカロリーを自分で測ればいいのではないか?」
自分でカロリーを測定することにした。
この事をひらめていてから私は極めて原始的なやり方でカロリーを測定することにした。
方法はこうだ。
店に行くときは常に手帳と秤を持っていく。
ちなみに持っていったのはTANITAの秤だ。
そして店に入ったら食べる前にまず重さを測定する。
例えばラーメン屋で考えてみる。
ラーメンには麺だけではなくチャーシュー、メンマ、ワンタンなど様々な具が乗っている。
これらを丁寧に因数分解して重さを測定していく。
まずは麺の重さを測定する。
この麺の場合は315gだ。次にチャーシュー。
このようにしてそれぞれの具の重さを測定する。
その貴重な情報を私のノートに克明に記録していった。
各々の具の重さがわかれば自然とカロリーは計算できる。今で言うとカロリーSlismのようなサイトで計算した。
この家庭を繰り返すことでお気に入りのメニューのカロリーの記録を把握できるようになっていった。
1ヶ月もするとノートを観なくてもカロリーが瞬時に頭に浮かぶようになった。
気分はスカウターをつけたサイヤ人である。
ちなみにこんな事をしていたら当然とても目立つので店員から
「お兄さん、何をしているの?」
と声をかけられるときもしばしばあった。
そんなときは
と正直に答えていた。
「一日の総カロリーを制限してるならラーメン屋に来るんじゃねーよ」
という店員の心の声が聞こえたこともある。私は人の心を読むことができる。
別な店では同じことをしていたら
「兄ちゃん面白いから特別にチャーシューを大盛りにしておいたわ」
とニヤニヤしながらサービスしてくれたラーメン屋の親父もいた。
ダイエット中って言ってんだろ。
自分だけの食べログ
そんなこんなで私の手帳には私のお気に入りの食堂やラーメン屋のお気に入りのメニューのカロリーが記録されていった。
このノートの事を私は「自分だけの食べログ」と心の中で呼んでいた。最終的に20種類以上のメニューのカロリーが記録された貴重なレポートになっていた。
以前別な記事でも書いたように私は好きなメニューを繰り返し頼むため、各店ごとにお気に入りのメニューのカロリーが一つだけ書いてあれば事足りた。
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この食べログ情報によりストレスなくレコーディングダイエットを継続できるようになり実は一時メキメキ痩せていった。
一時期は8ヶ月で103kgから90kgを割り込むまで痩せることができた。
レコーディングダイエットは成功したのだ。
色々な服も着れるようになったし階段を登っても息が切れなくなった。
ただやはりもっと甘いものが食べたいというどうしようもない理由でレコードするのをやめリバウンドして今に至る。
ダイエットの道は高く険しいことを教えてくれたかつての私のレコーディングダイエットの記録であった。