こんにちは、たくゆきじ(@takuyukiji)です。
今回はおすすめの心電図の本を紹介します!
今回レビューする教科書は心電図のみかた、考え方です!
ではご覧ください。
「心電図のみかた、考え方」について
【本のタイプ】
通読型の教科書
【ページ数】
基礎編:336ページ
応用編:393ページ
【おすすめ対象者】
心電図を基礎から勉強したい医学生
一歩進んだ知識を身につけたい研修医
「心電図のみかた、考え方」の書評
この本の著者の杉山裕章先生は心電図の本を多数手がけられています。
どれもわかりやすい本ばかりなんですよね。
今回心電図のみかた、考え方を読んでみた感想としては「心電図の勉強の王道」という印象をうけました。
ただ「王道」ときくと
と思われるかもしれませんが全くそんなことはありません。
基礎編、応用編ともにご覧のとおり研修医と指導医の対話形式で解説が進んでいきます。
心電図のみかた、考え方 基礎編より引用
心電図のみかた、考え方 応用編より引用
このように本書では軽妙な語り口でわかりやすく心電図の解説がなされ、着実に心電図の理解が深められるような工夫が凝らされています。
また本書は必要なところ以外はばっさり切り捨ててくれるのも特徴的です。
例えばジギタリスに伴う心電図変化に関する解説もありますが
ジギタリス製剤の内服の有無は心電図ではなく処方箋で確認せよ!
心電図のみかた、考え方 応用編より引用
と書いてくれています。
このように実臨床に即した内容をわかりやすく解説してくれているのが特徴的です。
ではそれぞれの書評に移っていきますね。
基礎編
基礎編は大きく前半、後半に分かれています。
前半は総論です。
心電図を読む際に必須の知識に絞って必要最小限の項目のみ総論で解説されています。
総論といってもイオンチャネルや活動電位などのとっつきづらい話題はまったく出てきません。
本書内でもこのように述べられています。
研修医などの若い先生方や循環器を専門としない医師にお話をする時には、心電図をきちんと読むためには、活動電位よりずっと大事なことがある!というスタンスで、あえて「活動電位」の話をしないことにしています。
心電図のみかた、考え方 基礎編より引用
本書は若手医師向けの書籍なので、このような配慮はとてもありがたいですよね。
後半はスクリーニング編です
この章のテーマは心電図の読み方の体系的な解説です。
この章のメッセージとしては心電図はいつも決まった手順・流れで1つずつ所見をチェックしていくというものがあります。
私が研修医の頃に迷ったのが心電図の所見を読む順番です。
学生や研修医の頃は行き当たりばったりで心電図の所見を読んでいました。
ST変化が目立つ心電図はST変化に目が行ったり調律の異常が目立つ心電図は調律に目が行ったりフラフラと読んでいましたから。
本書では心電図の所見をチェックする順番、そしてその所見で注目するポイントがわかりやすく解説されています。
本書では心電図を読む際は
という順番で読むことが勧められています。
この本を読んで心電図の判読の体系的な知識を身につけることで、所見を見落としなく読むことができると思います。
行き当たりばったりではない心電図の判読法が身につくと思いますのでぜひ一度読んでみてくださいね。
応用編
応用編では心電図の波形に関する解説がメインです。
急性心筋梗塞に伴うST変化や脚ブロックといった波形の異常が中心です。
もちろん波形の異常を解説する過程で、必要に応じて不整脈に関する実際のマネージメントの解説もされています。
またST上昇型心筋梗塞の時間軸に応じた心電図変化の解説はとてもわかりやすかったです。
さらに心筋梗塞の解説の際に冠動脈の解剖に関する解説もされており、ここだけでも一見の価値があると思います。
心電図のみかた、考え方 応用編より引用
こちらもぜひ読んでいただきたい書籍です。
「心電図のみかた、考え方」を買う際の注意点
と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、本書を買う場合は両方買うのが望ましいです。
というのも基礎編の中に「応用編もご参照ください」となっている部分(逆もあります)が結構あり、お互いが密接にリンクしているからです。
参考にしてみてくださいね。
ちなみに本書を2冊まとめて買う場合はこちらの記事が参考にしていただき少しでも安く買うのがおすすめです。
「心電図のみかた、考え方」|まとめ
以上心電図のみかた、考え方を紹介しました。
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