こんにちは、たくゆきじです。
今回の記事では
学会発表の注意点とスライドの作り方
に関して記事にしました。
研修医になると学会発表がつきものです。
学会発表も何度か経験すると、やり方が分かってくるのですが最初は全然要領がつかめません。
かくいう私も最初の学会発表は大変苦労しました。
具体的に何をすればいいか全くわかりませんでした。
この記事を読んでいるみなさんも同じ気持ちを抱いている方もいらっしゃると思います。
そこで私が昔の自分に教えるような気持ちで、学会発表に関して実際のパワーポイントのキャプチャも交えて記事にしました。
ぜひご覧ください。
あくまで個人の意見として参考程度に留めて下さい。
この記事の目次
まずは演題登録
学会発表の前にまずは演題登録が必要です。
演題登録の際にはどの学会でも以下の登録情報が必要となることが多いです。
* 共著者の氏名,会員番号および所属機関名
* 抄録タイトル
* 抄録本文(〇〇〇字以内)
共著者をどういう順番で書くかは指導医と相談してください。
目上の人は後ろに書くのが基本です。
例えば教授は一番共著者の一番後ろの記載します。
また、演題登録の際の注意点としては、
自分だけでなく共著者の学会の会員番号も必要なことです。
ギリギリに演題登録しようとしたが
共著者の会員番号がわからず登録できず焦る
というパターンはたまにあるので、早めに確認しておきましょう。
抄録とは何か?
抄録とは学会発表の前に発表内容を文章にしたものになります。
国内であれば学会発表の2-3ヶ月前が期限であることが多いです。
海外だと半年前の場合もあるため期限はきちんと確認しましょう。
この抄録も最初はどう書いていいかわからないと思います。
その場合自分の力だけで抄録を書くのではなく、前の回の学会の抄録を確認し書き方を真似ましょう。
例えば第100回〇〇学会で発表する場合には、第99回〇〇学会のホームページに行きます。
そこで前の抄録が見ることができるので、その書き方を真似て指導医に添削してもらうのが最も近道です。
何個か抄録を見てみると、書き方は全部似通っているのがわかりますのでそれに自分の発表を当てはめましょう。
過去問を使って勉強するのと同じです。
スライド作成の前に確認すべきこと。
スライド作成前に確認しなければならないことは以下の事項です。
* パワーポイントの種類と形式について
* 動画が使用可能か
それぞれについて解説します。
発表時間
発表時間は各々の学会によって異なっています。
症例報告の場合5分前後の学会が多いです。
5分前後の発表の場合、パワーポイントのスライドは13-15枚位が望ましいです。
少なすぎると早く終わってしまいますし、多いと延びてしまうので適正なスライドの枚数を知っておきましょう。
こちらに関してもスライドを作る前に指導医と相談してみてもいいかもしれません。
なお発表時間は厳守が原則です。
発表が早く終わるよりも発表時間が延びてしまう方が良くないので覚えておきましょう。
パワーポイントの種類と形式について
発表の際に使用できるパワーポイントの形式が決まっているケースがあります。
中にはMacのパワーポイントで発表できない学会があります。
私はWindowsユーザーなので困ったことはありませんが、Macしか持っていない人は注意が必要です。
(Macのパソコンを持込んで発表可能な学会もあります。)
なお、Windowsでもパワーポイントの形式は2010以降と制限のある学会もあります。
きちんと確認しておいてください。
動画が使用可能か。
これは意外と重要です。
学会によっては動画が使用できない学会があります。
循環器内科の領域だと
心エコーや心臓カテーテル検査
は動画があるかないかで発表がだいぶ変わるので確認しておきましょう。
実際のスライド作り
今回はWindows 10のパワーポイントを使用して説明します。
最初にスライドのフォントの設定を行おう!
パワーポイントのフォントは指定されている場合がほとんどです。
しかし、実はどの学会でも使えるフォントの組み合わせがあるのでこの機会に是非覚えてしまいましょう。
鉄板のフォント設定はこれです。
日本語:MS Pゴシック
英数字:Times New Roman
この設定を覚えておきましょう!
どの学会でも通用します。
なぜフォントが指定されているか調べたところ、文字化けを防ぐためらしいです。
正直フォントが指定されているのってめんどくさいんですが、パーティー会場にネクタイを締めていくくらいの感覚で、お作法として覚えておきましょう。
powerpointのフォントを設定する方法は以下の記事を読んでみてください。
【powerpoint】たった5分でフォントを一括変更する方法を画像つきで解説!
それぞれのスライドの説明
最初はタイトルです。
発表者の前に○をつけましょう。
共著者に関しては書く順番を指導医と相談しましょう。
一般的には後ろに行けば行くほど上の先生の名前を記載します。
(例えば大学病院の場合共著者9に来るのは教授になります。)
次にCOIの開示というスライドを挿入します。
COIとは、日本語にすると「利益相反」となります。
例えば発表者がAという会社から資金提供があったりすると、Aの会社に不利な発表の内容にしづらくなります。
このように発表者が特定の団体と利害関係にあるかどうかを開示することを「COIの開示」といいます。
各学会ごとに開示する条件などは異なっているため、確認しておきましょう。
なお、初めて発表するような研修医はおそらくCOI関係にあるような企業などはないと思います。
次は主訴、現病歴などのスライドです。
この中で気をつけることは内服薬は「一般名」で記載することです。
多くなる場合はスライドを2枚に分けても構いません。
次に現症について記載します。
このスライドの内容は必要最小限です。
例えば神経内科の領域では神経学的所見も記載する必要があります。
なお、異常所見の文字の色を変えると読みやすくなリます。
次にX線、採血結果について記載します。
記載すべき所見があれば追記します。
採血結果も正常値以外はこのように色分けするとわかりやすいです。
次に心電図所見を記載します。
心電図の所見は
* 調律(洞調律、心房細動など)
* 所見(ST変化など)
を記載するのが一般的です。
各科ごとの重要な検査結果を記載します。
呼吸器内科では胸部CTと病理所見など
神経内科のでは頭部CT、頭部MRI、髄液所見など
それぞれで重要な検査が異なります。
個々の発表に応じてスライドを作りましょう。
⑧-⑩に関してはそれぞれの症例に応じて全く書き方が異なるので、それぞれに応じて記載しましょう。
コツは、可能な限り文章を使わず画像を多用することです。
文章だけだと発表を聞いている側は聞く気が失せますので、可能な限り画像を使ってみやすさを意識して下さい。
⑪-⑬に関しては考察を記載します。
このスライドは書き方の一例として載せてみました。
●なぜその治療を選択したのかも文献を明示し根拠を述べながら記載します。
ここに関しても症例によって様々なので、上級医と相談してください。
学会発表では今まで発表された論文から根拠を記載するので、頑張って論文を探して下さい。
⑭に関しては結語となります。
ここはほぼタイトルをなぞって終了となります。
スライドを作り終えたら
最後に音読して練習することをお勧めします。
音読することで発表時間を推測できますし、頭にもスッと入ります。
最低でも3回は音読して練習しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
つたない内容かもしれませんが、参考になれば嬉しいです。
どうせやるならしっかり勉強しながら学会発表を乗り切りましょう。