症例報告のスライド

学会発表を控えた医学生、研修医は必見! 症例報告のスライドの作り方を解説!

学会発表

こんにちは、たくゆきじ(@takuyukiji)です。
 
今回は
 
症例報告のスライドの作り方と症例発表の時の注意点
 
を記事にしました。
 
研修医になると学会発表がつきものです。
 
学会発表も何度か経験するとやり方が分かってくるのですが、最初は全然要領がつかめません。
 
かくいう私も最初の発表の時はとても苦労しました。
 
具体的に何をすればいいか全くわかりませんでしたから。
 
この記事を読んでいるあなたも同じ気持ちを抱いているかと思います。
 
そこで今回は昔の自分に教えるような気持ちで学会発表のスライドの作り方や注意点を記事にしてみました。
 
実際のパワーポイントのキャプチャ画像も交えてわかりやすく解説してみましたのでぜひご覧ください。

指導医によってスライド作成の指導方法や考え方は異なります。
 
あくまで個人の意見として参考程度に留めて下さい。

まずは抄録の作成と演題登録を行おう

症例報告のスライドの作り方
 
学会で発表するためにはまず演題登録が必要です。
 
演題登録の期限は国内だと学会発表の2-3ヶ月前が期限である場合が多いです。
 
ただ学会によっては半年前の場合もあるため期限はきちんと確認しておきましょう。
 

たくゆきじ
たくゆきじ
国際学会だと半年くらい前が期限のことが多いようですよ。

 
関連記事:はじめての国際学会 AHA2018体験記
 
ちなみに演題登録の際には抄録という発表内容を要約した文章が必要となります。
 
抄録は文字数制限(◯◯◯字以内)があるところがほとんどですので確認しておきましょう。
 

 
この抄録も最初はどう書いていいかわからないと思いますが、初めての場合は当該学会の前の抄録を見ながら書くのが近道です。
 
例えば第100回〇〇学会で発表する場合には、第99回〇〇学会のホームページに行きます。
 
そこで前の抄録が見ることができるところが多いのでその書き方を参考にして作成し、指導医に添削してもらいましょう。
 
過去問を使って勉強するのと同じ感覚です。
 
なお過去の抄録が見れない学会の場合は、本で勉強しながら抄録を書くのもよいと思います。
 
はじめての学会発表 症例報告」という本が読みやすく抄録の作り方に関してもまとまっているのでおすすめですよ。
 

 
抄録の作成が終わりいざ登録する時は抄録の他に以下の情報が必要となることが多いです。
 

発表者の氏名,会員番号および所属機関名
共著者の氏名,会員番号および所属機関名

 
共著者の順番としては目上の人が後ろにくるのが基本(例:教授は共著者の一番後ろ)ですが、指導医の先生と相談してください。
 
入力する時は漢字を間違えないように注意しましょう。
 
また演題登録の際の注意点として自分だけでなく共著者の学会の会員番号が必要なことは意識しておきましょう。
 
期限ギリギリで演題登録しようとしたものの共著者の会員番号がわからず焦るというパターンはたまにありますので、会員番号は早めに確認しておくのがおすすめです。
 

たくゆきじ
たくゆきじ
できればexcelで管理しておくと後々楽ですよ。

症例発表のスライド作成の前の確認事項

症例報告のスライドの作り方
 
演題登録が終了したらスライド作成に取り掛かるわけですが、作成前に確認しておいたほうが良い点が3つあります。
 

発表時間
パワーポイントの種類と形式について
動画が使用可能かどうか

 
それぞれについて解説します。

発表時間

発表時間は各々の学会によって異なっています。
 
症例報告の場合5分前後の学会が多いです。
 
5分前後の発表の場合はパワーポイントのスライドは13-15枚位が望ましいです。
 
スライドが少なすぎると早く終わってしまいますし多いと延びてしまうので、適正なスライドの枚数を知っておきましょう。
 
こちらもスライドを作り始める前に指導医と相談してもいいかもしれません。
 
なお実際の発表時間は厳守が原則です。
 
発表が早く終わるよりも発表時間が延びてしまう方が良くないことは覚えておきましょう。

パワーポイントの種類と形式について

発表の際に使用できるスライドの形式が指定されている学会が多いです。
 
Macの場合はUSBではなく自分のPCを持ち込むように指定されている学会もあります。
 
私はWindowsユーザーなので困ったことはありませんが、Macしか持っていない人は注意が必要です。
 
ちなみにWindowsでも「パワーポイントの形式は2010以降」と制限のある学会もありますのできちんと確認しておいて下さい。

動画が使用可能かどうか

動画が使用できない学会があり、これは確認しておいたほうがよいです。
 
循環器内科の領域だと
 
心エコーや心臓カテーテル検査
 
は動画があるかないかでスライドの内容がだいぶ変わるので確認しておきましょう。
 
 
この3点はスライドを作る前に確認しておきましょう。
 
ちなみに私がスライドを作る時には、レッツノートというパソコンを使って作業しています。
 
とても使いやすいパソコンなので、パソコンを買い換えるつもりの方は一度検討してみてくださいね。
 
関連記事:研修医・医師に自信を持っておすすめするノートパソコンはレッツノートです。

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症例報告のスライドのテンプレート

症例報告のスライドの作り方
 
では実際のスライドのテンプレートを紹介します。
 
今回はWindows 10のパワーポイントを使用して説明します。
 
ただ実際に作成を行う前にパワーポイントのフォントの設定を行ってしまいましょう。
 
パワーポイントのフォントは学会によって指定されている場合がほとんどです。
 
例として第254回 日本循環器学会関東甲信越地方会は以下の組み合わせで指定されています。
 

日本語:MSゴシック・MSPゴシック・MS明朝・MSP明朝
 
英 語:Times New Roman・Arial・Arial Black・Arial Narrow・Century・Century Gothic・Courier・Courier New・Georgia

 
一応フォントは確認しておきましょう。
 
ただ私の場合はスライドのテンプレートを作って、一つのフォントに統一しています。

日本語:MS Pゴシック
英数字:Times New Roman

このフォントで指摘されたことは有りませんので、基本的にどの学会でも使える組み合わせだと思っています。
 
ちなみになぜフォントが指定されているか調べたところ、文字化けを防ぐためのようです。
 
フォントが指定されているのは若干めんどくさいんですが、パーティー会場にネクタイを締めていくくらいの感覚でお作法として覚えておきましょう。
 
関連記事:【powerpoint】たった5分でフォントを一括変更する方法を画像つきで解説!
 
では次から実際のスライドのテンプレートを紹介します。
 


最初はタイトルです。
 
発表者(筆頭演者)の前に○をつけておきましょう。
 
共著者に関しては抄録で書いた順番で入力しておけば大丈夫です。漢字は間違えないでくださいね。
 
null
次にCOIの開示というスライドを挿入します。
 
COIとは日本語にすると「利益相反」となります。
 
例えば発表者がAという会社から資金提供があったりすると、Aの会社に不利な発表の内容にしづらくなります。
 
このように発表者が特定の団体と利害関係にあるかどうかを開示することを「COIの開示」といいます。
 
日本内科学会のホームページにもCOIの開示に関するスライド例がありますので参考にしてみてくださいね。
 
学会ごとに開示する条件などは異なってきますが、初めて発表する研修医の場合はおそらくCOI関係にあるような企業などはないことが多いと思います。
 

 
次は主訴、現病歴などのスライドです。
 
この中で気をつけることは内服薬は「一般名」で記載することです。
 
多くなる場合はスライドを2枚に分けても構いません。
 

 
次に現症について記載します。
 
現症のスライドは発表する分野を詳細に記載し、他に関しては必要最小限でよいと思います。
 
例えば神経内科の発表では神経学的所見も詳細に記載しておきましょう。
 
ちなみに異常所見の文字の色を変えると読みやすくなるので自分なりに工夫しましょう。
 

 
次にX線、採血結果について記載します。
 
記載すべき所見があれば追記します。
 
採血結果も正常値以外はこのように色分けするとわかりやすいです。
 

 
次に心電図所見を記載します。
 
心電図の所見は

心拍数 bpm
調律(洞調律、心房細動など)
所見(ST変化など)

 
を記載するのが一般的です。
 

 
症例ごとに重要な検査結果を記載します。
 

循環器内科では心エコーや心臓カテーテル検査など
 
呼吸器内科では胸部CTと病理所見など
 
神経内科では頭部CT、頭部MRI、髄液所見など

 
症例に応じて重要な検査が異なりますのでそれぞれ重要な検査を載せましょう。

 
⑧-⑩に関してはそれぞれの症例に応じて全く書き方が異なるので、それぞれに応じて記載しましょう。
 
コツは可能な限り文章を使わず画像を多用することです。
 
文章だけだと発表を聞いている側は聞く気が失せますので、可能な限り画像を使って見やすさを意識して下さい。
 

 
⑪-⑬に関しては考察を記載します。
 
このスライドは書き方の一例として載せてみました。

●疾患の概念、治療について文献を明示しつつ書きます。
 
●なぜその治療を選択したのかも文献を明示し根拠を述べながら記載します。

これも症例によって様々なので、上級医と相談してください。
 
今まで発表された論文の中から根拠を記載するので、Pubmedで論文を探す必要があります。
 
Pubmedの使い方に関しては以下の記事も参考にしてみてくださいね。
 
関連記事:【Pubmedの使い方】AND検索、OR検索、NOT検索について解説します。
 
関連記事:【Pubmedの使い方】Pubmedを使って雑誌名(略称)を検索しよう。
 

 
⑭に関しては結語となります。
 
ここはほぼタイトルをなぞって終了となります。
 

たくゆきじ
たくゆきじ
お疲れさまでした。

症例報告のスライド作りに役立つ本を紹介

最後に症例報告のスライド作りに役立つ本を2冊紹介します。
 
1冊目は「はじめての学会発表 症例報告」という本です。
 
この本は8章構成で漫画なども交えて解説されていてとても読みやすいのが特徴です。
 
抄録の作り方なども具体的な例も交えて紹介されており、最初に読む本としてもってこいの本ですので初めての発表を控えている方はぜひ読んでみて下さい。
 

 
2冊目は「流れがわかる学会発表・論文作成」という本です。
 
この本はPubmedの使い方やEndNoteでの文献管理術など、もう少し踏み込んだところまで解説されています。
 
かといって難しい内容かというと決してそんなこともありませんので、ぜひこちらの本も手にとってみて下さい。
 

 
なおこれらの医学書を安く買いたい方はこちらの記事もぜひ参考にしてくださいね。
 

まとめ

以上症例報告のスライドの作り方を解説してみました。
 
参考になりましたらとても嬉しいです。
 
 
研修医や若手の先生向けの記事として以下の記事も読まれていますのでぜひどうぞ。
 

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たくゆきじ
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専門は循環器の内科医師です。 私が気づいたことや学んだことを書き記していくブログです。 FacebookやTwitter、Instagramでも情報発信していますのでぜひフォローしてくださいね。