私は2018年の3月まで電子カルテで運用している急性期病院でしか働いたことがありませんでしたが、2018年4月に紙カルテ運用の慢性期病院に転勤となりました。
職場環境、人間関係はすごく良好で日々楽しく働くことができています。
ただ電子カルテに慣れた身からすると紙カルテでの診療は不便に感じることが多かったです。
例えるならiphoneから固定電話の時代に戻ったような感覚を抱きました。
たくゆきじ
という感じです。
そこで今回の記事では
を紹介します。
そして最後に急性期病院と慢性期病院の違いについて私の感じたことも紹介しますのでぜひご覧ください。
電子カルテと紙カルテの違い
電子カルテの病院から紙カルテの病院に異動になって感じたギャップは以下の3つです
診療録が読みづらい場合がある
紙カルテだと仕事の処理速度が遅い
仕事の効率化の手段が限られる
それぞれ紹介します。
診療録が読みづらい場合がある
先生の中には字があまり上手ではない方もいるので、カルテの解読が難しいときがあります。
患者さんの診療にダイレクトにつながる部分なので必死に読むわけですが、割と労力を要しますね…
特にアルファベットだとAとRの区別が難しいときもあり、前後の意味から推測するようなこともあります。
これは電子カルテと紙カルテの一番大きな違いでした。
どんな工夫かというとサマリーをwordに別に作成して紙カルテに貼るということです。
ちょっとアナログな方法かもしれませんが、こうすることで字が上手でない私でも読みやすいサマリーを作成できますのでおすすめです。
しかしこういうことを経験するとwordという発明は本当に偉大だなぁと実感します。
紙カルテの頃は情報伝達は今ほど簡単ではなかったんだろうなあと。
紙カルテだと仕事の処理速度が遅い
紙カルテだと自分の空き時間に仕事ができないときがあります。
例えば患者さんが検査に行った時に同時に紙カルテも検査室に持っていく病院もあります。
そういう時に限ってカルテが書きたい時があるのですが、カルテがないので仕事ができません。
そんな時は時間を無駄にしたような感覚に襲われましたね。
かたや電子カルテではパソコンさえあれば前回仕事した内容のままどこでも仕事ができます。
まるでDropboxのような感覚で仕事ができるわけです。
これは電子カルテの大きな利点だと改めて思いました。
また紙カルテだと手書きになるわけですが、電子カルテだとタイピングなので、電子カルテのほうが明らかに早くカルテ記載が終わります。
その意味でも紙カルテのほうがどうしても仕事の処理速度が遅くなってしまうなぁと感じました。
仕事の効率化の手段が限られる
電子カルテだと様々な手段で仕事の効率化が図ることができます。
例えば単語登録です。
私は電子カルテを使える病院では効率的にカルテを書くためにいろいろな文章の単語登録を試みています。
単語登録をうまく済ませるとカルテ記載が早く終わりますが、紙カルテだと中々そうはいきません。
また電子カルテではテンプレートを登録することができるのも大きいです。
例えば外来で術前の心機能評価のコンサルトが来た時は以下の記事で紹介しているテンプレートを立ち上げています。
これらのテンプレートを立ち上げることで早く仕事が終わるわけですが、紙カルテではほぼ手書きでした。
このように電子カルテと紙カルテでは効率化の手段の選択肢も色々違うのだなぁということにも気付きました。
急性期病院と慢性期病院は環境が違うことに気がついた
カルテ一つとっても急性期病院と慢性期病院では環境が全く異なります。
他にも急性期病院ではできるけど慢性期病院ではできないことがたくさんありました。
急性期病院と慢性期病院のギャップは凄く大きいです
できる検査も使える薬も限られています前は急性期に転院を受ける時
「これくらいどうにかしてよ…」
と思うこともありましたが慢性期では本当にどうしようもないのです…半年でいいので慢性期で働くと転院を受ける時に優しくなれると思います。 https://t.co/qBF4GL62y8
— 内科医たくゆきじ (@takuyukiji) August 4, 2018
慢性期病院で働いたことで
ということにも気付くことができたのは私にとって大きな財産になっています。
一度大きく異なる環境で働いてみると色々と気付くことができると思いますよ。