あなたは「ゾーンに入る」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
「ゾーンに入る」という言葉は一般的に「集中力が極限まで研ぎ澄まされた状態」を意味している。
例えばスポーツ中。
アスリートがゾーンに入って圧倒的なパフォーマンスを披露する
このようにスポーツに極限まで集中している様を「ゾーンに入る」と表現することが多い。
ただアスリート以外はゾーンに入れないのだろうか?
私のようなモブキャラはゾーンに入れないのだろうか?
決してそんなことはない。
医師も日常的にゾーンに入っていることがあるからだ。
例えば手術の時である。
手術中はゾーンに入る感覚を味わうことができる
私が研修医の時は外科系の科で研修をし何度となく手術に入っていた。
手術に入るとひたすら手術に没頭する。
研修医の時に術者になることは基本的に無いため助手として手術に臨むわけだが、長時間の手術でも夢中になって手を動かすので体感時間としてはあっというまだ。
手術が一段落ついて時計をみると
たくゆきじ
という感覚を抱く。
循環器内科として勤務している今も同じような感覚を抱く。
3-4時間くらい飲まず食わずでカテーテルに没頭することはあるが、体感時間としてはあっという間だ。
このことはいたって普通のこととして捉えていたが、
と最近思うようになった。
ゾーンに入るためにはどうしたらいいのか
ただ手術中にゾーンに入っているからといって、日常生活でゾーンに入っているかというとそんなことはない。
私の集中力のなさは特筆すべきものがある。
しかしこんな集中力のない私でも手術中はゾーンに入れている。なぜなのか。
なぜ私は手術中はゾーンに入れるのに、日常生活ではゾーンに入れないのか?
そこでゾーンに入るための条件を色々考えてみたところ、一つの考えに至った
というものだ。
手術中は基本的に外界と私は遮断されている。
病棟からの電話も外回りの医師が電話に出てくれる。
清潔野での手技となるため、少し手が空いたからといってスマホをくりくり弄るわけにもいかない。
手術中は自分の全神経が手術以外に向かない環境が整っているじゃないか
ということに今更ながら気がついた。
ということはだ。
という仮説をたててみた。
なんだかこの仮説は正しそうだぞ。
早速実行にうつしてみることにした。
ゾーンに入る環境を整えて読書してみた
ということでゾーンに入りやすい環境を整えた上でkindleで読書をしてみた。
整えたのは以下の3つの環境である。
机の上をすべて片付ける
スマホの電源を切る
読書する媒体をipadからKindleに変更
まずは机の上を片付けた。机の上が散らかっていると気を取られてしまうから。これは擬似的な清潔野を再現したつもりだ。
次にスマホの電源を切る。電源を切ることでメールやLineの通知を全て遮断する。これで集中力が途切れない。
さらに読書用の端末としてはKindle専用の端末を使うことにした。
私は今まで読書をipadのkindleアプリで行っていたが、あえてKindle専用の端末を使うことにした。
ipadをやめた理由は誘惑が多すぎるという一点に尽きる。
ipadで読書をしているとちょっと調べたいことが出てきて、Safariで色々検索したらなぜかYoutubeに飛んで、いつのまにかYoutubeでメッシのスーパープレイ集に見入ってしまっていた。
本を読む以外の選択肢があるとダメ。読書に没頭するためには本を読むことに特化したKindleの方が望ましい。
そう思ってあえてちょっと不便なKindle専用端末で読書を始めてみた。
するとどうだろう。
効果は明らかにあった(気がする)。
前に比べて集中力が途切れにくい(気がする)。読書に没頭できている(気がする)。
残念ながら腹は減るのでおやつのミックスナッツを台所に取りに行くことはあるのだが、集中力は前より高まった(気がする)。
「おつまみで注文したミックスナッツの減りが早すぎる、これは流石におかしいんじゃないか」
先日忘年会の二次会で入ったバーでふと疑問に思いましたが、手元を見ると犯人はやっぱり私でした#一回で3つのナッツを口に運んでいました#3倍速で減るミックスナッツ pic.twitter.com/WxZAlg0eO2
— 内科医たくゆきじ (@takuyukiji) December 14, 2019
強いて言えば音で集中力がキャンセルされることがちょこちょこあったくらいか。
ただこれもノイズキャンセリングイヤホンを買うことで解決できた。
日常生活でゾーンに入るためには外界と自分を遮断する
環境を整えれば一つの行為に没頭できるということに今回私は気がついた。
一つのことに没頭するための私なりのキーワードは外界と自分の遮断だ。
スマホを通じて色々な誘惑が自分に飛び込んでくる現代だからこそ、たまには外界と自分を遮断して一つのことに没頭するのもいいものだと今回強く感じた。
まるで私が手術に没頭する時のように。
どんなことでもいいからあなたも一度試してみてほしい。外界と遮断して一つのことに没頭するのだ。
もしかしたらそれで「ゾーンに入る」ということを体感できるかもしれないから。
読書をする上でおすすめの本はこちらの記事で紹介しています。