こんにちは、たくゆきじ(@takuyukiji)です。
先日Twitterでこのような質問をいただきました。
はじめまして。
私は医学部5年で循環器内科を考えている者ですが、もしよろしければ循環器内科のリアルな1週間のスケジュールや、一般的なキャリア、変わったキャリアをしている方などのお話を記事にしていただけないでしょうか。
よろしくお願いします。
この質問に対するお返事としてこの記事を書くことにしました。
しかし私はまだまだ経験が浅く、一般的なキャリアや変わったキャリアなどについて語れる立場にありません。
たくゆきじ
ただまがりなりにも循環器内科医として何年間か働いたので、急性期病院での1週間のスケジュールについてはある程度伝えられると思います。
そこで今回の記事ではこの質問にお答えするような形で循環器内科医の仕事内容とスケジュールを紹介してみましたので興味のある方はぜひご覧ください。
本記事は私の今までの経験をもとに作成しています。
全ての病院に当てはまるわけではないことをご理解ください。
循環器内科医の仕事内容
急性期病院での循環器内科の仕事は大きく4つあります。
病棟管理
外来
検査・治療
救急当番
これらの仕事についてそれぞれ解説していきますね。
病棟管理
病棟管理は一言で言うと入院中の患者さんへの診療です。
入院中の患者さんは具合が悪くて緊急で入院した方もいれば検査のために予定入院した方もおり、それぞれの患者さんに応じて対応が異なります。
点滴や内服薬をオーダーしたり、採血やX線といった検査の予定を立てたりします。
また病棟を回診して入院中の患者さんの診察を行うのも病棟業務の一環です。
看護師から患者さんの容態の変化などの報告を聞いて対応するのも病棟業務に含まれるでしょう。
他にも病棟の患者さんの状態が変わった時の指示を出しておくことも必要です。
例としては
などの指示を出しておきます。
ちなみにこのような指示出しはきっちり指示簿に入力しておくことをおすすめします。
そうすると医師側も看護師側もストレスなく仕事ができるからです。
病棟からの電話で作業が途切れるのが嫌だった私は
「指示簿にキッチリ指示を入れること」
を今は徹底してますそもそも看護師も医師に電話はなるべくしたくないので、指示が入ってれば電話は減ります
細かく指示を入力するのにちょっと時間はかかりますが、スタッフみんなのストレスは減ると思います
— 内科医たくゆきじ (@takuyukiji) November 20, 2018
このように「7つの習慣」で言うところの「緊急ではないけれど重要なこと」はきちんとやっておくのがよいと思っています。
ここまで紹介したように入院患者に対して病棟で診察したり必要な指示を出すことを病棟管理といいます。
外来
外来は大きく「再来」と「新患」に別れておりそれぞれ解説します。
再来
再来は1度診察した患者さんの予約外来です。
という感じで予約を取り、定期的に検査を行い必要な薬を処方します。
再来の患者さんは自宅に帰すことができるくらいなので、比較的安定していることが多いです。
新患
新患は大きく予約新患と飛び込み新患があります。
予約新患とは開業医の先生方から地域連携などを通して紹介される外来となります。
こちらは紹介状を持参するため、診察する前の時点で患者さんの情報を把握できます。
一方飛び込み新患は症状がある人が予約なし受診するものになります。
飛び込み新患の場合は事前情報が全く無いので、問診や診察に時間がかかることが多いです。
飛び込み新患は感覚としては救急外来に近いかもしれません。
他にも院内の他科の先生から紹介されて診察することもあります。
ちなみにやってみるとわかりますが外来はかなりハードです。
制限時間がある中で必要な検査の検討や入院適応の判断を行わなければならず、個人的には病棟業務より大変だと思います。
検査・治療
循環器内科で行う検査や治療は以下の項目です。
核医学検査(心筋シンチ)
トレッドミル
ヘッドアップチルト検査
CPX(心臓リハビリ)
心電図の判読
ホルター心電図の判読
心臓カテーテル検査
この他にも別な検査や治療がありますが、主なものは以上です。
この辺の検査は日中に行います。
ただ心電図やホルター心電図は他の仕事が一段落ついた夜に判読する病院が多い印象です。
救急当番
救急当番は救急外来を受診した患者さんを診察し、検査や治療をマネージメントするのが仕事です。
帰宅可能と判断した場合は帰宅させ、入院が必要だと判断した場合には入院の手続きやご家族への説明を行います。
人手が豊富な病院だと救急当番のみを行う場合もありますが、私が働いた病院では他の業務と兼務で救急当番を行うところが多かったです。
例えば外来と兼務で救急当番を行ったり、心エコーと兼務で行ったりといった場合です。
外来と兼務で救急当番を行っている時に救急車が搬送されてきたら、外来を止めて救急対応せざるを得ず予約外来の患者さんをお待たせすることもあります。
実際のスケジュール
平日は月曜日から金曜日までの5日間で、午前と午後に別れています。
そこに今まで説明した業務が割り当てられていることが多いです。
一つの例をお示しします。
※火曜日と木曜日は救急対応も兼務
病院によってできる検査ややっている診療内容が異なるのでひとくくりにできませんが、検査と外来と救急当番を組み合わせて平日のスケジュールは決まります。
なお若手の場合定期的にスケジュールが変更になります。
ただ若手のうちに色々な経験をしておく必要があるため、定期的なスケジュール変更は必要だと思っています。
ちなみにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、上のスケジュール表に病棟管理という項目はありません。
病棟管理は日中の業務の空いた時間に行う必要があるのです。
と学生の時は思っていましたが、日中は検査や外来などの他の仕事があるので病棟業務は朝か夕方しかできないということを医師になってから知りました。
夜間、休日のスケジュールについて
最後に夜間や休日についても簡単に説明します。
夜間や休日は循環器内科当番が割り振られ、救急外来に循環器内科の病気が疑われる患者さんが来たときに対応します。
仕事内容は日中の救急当番とほぼ同じです。
循環器内科当番が病院に泊まるところもあれば、自宅待機のところもあり病院ごとに異なります。
循環器内科という科の特殊な点としては、夜間に緊急心臓カテーテル検査がある点だと思います。
特にST上昇型心筋梗塞(STEMI)の患者さんが来た時は、夜間でも緊急での心臓カテーテル検査に回ります。
ただ緊急心カテは一人でできないため心カテを行う場合は他の循環器内科医師に電話して複数人で診療に当たることになります。
この心カテがあったら呼び出される医師(待機医師)がどういう基準で決まるかというと、それは病院ごとに異なります。
当番制の病院もあれば学年が下から順に呼ばれる病院もありますね。
個人的にはメリハリをつけるために当番制の病院のほうが働きやすいと思っています。
まとめ
以上循環器内科の仕事内容や一週間のスケジュールに関してまとめてみました。
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